【マンガ感想】
『岳 8巻 (石塚真一)』
石塚 真一
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【あらすじ】
楽しいはずの山。けれど危険に遭遇することもある…。山を愛する人すべてに捧ぐ、山岳救助物語!!ビッグコミックオリジナル本誌に掲載された読み切りが好評だったため、増刊で連載開始となった石塚氏の出世作。大自然のなかで繰り広げられる感動の山岳救助物語が、ついに単行本化!!
山岳救助をテーマとした読みきりタイプの作品。
この作品は、山岳救助をテーマとしている作品なので、山で遭難する遭難者がいて、
その遭難者を主人公・島崎三歩が助けにいくという構成で描かれております。
人命救助をテーマとしているため、遭難した人々は助かることも死んでしまうこともあります。
運良く主人公・『島崎三歩』が助けに来てくれたとしても、絶対に助かるわけではないというところが、
この作品の特徴であり、冬山での山岳の厳しさを上手く描いている部分であると思います。
そのため、この作品の実質的な主人公は、遭難者達であり、島崎三歩ではありません。
遭難者は遭難しながらも必死に生き抜くために努力を重ね、その行動がドラマとなります。
読者は、彼らの生きるための行動と主人公・『島崎三歩』の救助姿を見ながら、
『自然の力の恐ろしさ』と『人間の命の重さ』を感じることとなります。
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さて、この作品ももう8巻まで発売されました。
7巻では、主人公・『島崎三歩』という人物を描くために、彼の過去イベントを中心に描かれていましたが、
8巻では、主人公・『島崎三歩』の登場回数を減らし、ヒロイン・『椎名久美』に関するイベントや、
山岳救助のチーフ・『野田正人』に関するイベント、 新米山岳救助隊員の『阿久津』に関するイベントなど
今まで脇役であった『山岳救助隊員』にスポットを当てた話が多く描かれました。
その『山岳救助隊員』の話で共通して描かれているのが、『自分の時間が無い』ということ。
“遭難はいつ起こるか判らない”そして“隊員の人数が限られている”ということから、
突然の遭難情報で残業になってしまったり、非番の日まで出動になってしまう日々が描かれています。
山岳救助のチーフ・『野田正人』のように山岳救助に命を掛けている人物から、
ヒロイン・『椎名久美』のようにこのまま山岳救助を続けていくことに対して疑問を持つ人物や、
新米山岳救助隊員の『阿久津』のように、山岳救助により彼女との時間が無くなってしまうことに
悩んでいる人物など、様々な境遇の人物を描かれているのも面白いところです。
主人公・『島崎三歩』がある意味、生活感の感じられない・人間らしくない人物だけに、
人間味があって様々な悩みや様々な境遇にある山岳救助隊員の話は非常に新鮮で、
今後も描かれ続けるならば、マンネリ防止にもなりそうな感じがします。
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【総評】
7巻は正直、ガッカリな内容でしたが、8巻で無事持ち直した感じがします。
やはり、この作品らしい王道展開で話を構成し続けて欲しいです。
点数的には
100点
です。
では、ここまで。