「いいえ。一度も。あの時がとにかく、初めてで。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.201

ドキドキ その声に小埜瀬、小刻みに顔を左右に振りながら、
「いいえ。一度も。あの時がとにかく、初めてで。だから、自分もどうして…」
思わず顔を傾げて…。
「…って思って。目が覚めたら家に。そして部屋に。そして着ぐるみのままで…。しかも…、布団の中に。…だから…。びっくりしちゃって…。」
今度は逆に顔を傾げて、
「全く…。…何が何だか…。…服も、そのまんまで…。しかも…、歓迎会で飲んで、食べて…。…でぇ~~。お開きに…、なった時…辺り…までは、何とか…、記憶、あるんですけど…。その後が…、サッパリでして…。」

愛結美に菜帆子、佐津香も、慰めるような表情で小埜瀬を…。

小埜瀬、
「…で…、次の日に部長に…。…でも…。」
顔をグンニャリとさせて、
「その部長も、知らぬ存ぜぬの…。」

菜帆子、
「おや。」

愛結美、
「…で、どちらで…???…部長からは…。」

「えぇ。門倉です。」

瞬間、3人、ゆっくりと頷いて、
「あ~~~~。」

佐津香、
「…と、いう事は~~。多分、奈菜さん。」

コクリと小埜瀬。

菜帆子、
「確かに。」
佐津香を見て顔をコクリと。
「奈菜さんから突っ込まれたら、部長~~。どうしようもないか~~。しっかりと、奥様に…、話は筒抜け~~。」

佐津香も頷いて、
「まぁね~~。」

「えっ…???…みなさんも…、部長の奥様…、ご存じで…???」

菜帆子、
「え~~~。奈菜さんがらみで…。」
そして菜帆子、
「奈菜さん、あぁ見えて、結構~~雑学~~。しかも…、人の心、読むのも凄いから。部長の奥様って、奈菜さんが部長に紹介したの。」

小埜瀬、その話に、
「えぇ。知ってます。おカミさんから聞きました。」

菜帆子、コクリと、
「うん。でぇ~~。とにかく、部長の奥様、奇麗な方なんだけど~~。部長に、何でそんな奇麗な人…???…って思ったら~~。」

「部長…、嘘は付かない。…と、言うより、付けない。」

菜帆子、
「ピンポ~~ン。…あぁ見えて、とにかく、嘘つくの、下手~~。混じりっけなしの、正直人。」

佐津香、可笑しがって、
「混じりっけなしの、正直人って言うのも変だけど、吉竹、ほんとに嘘付けない人だから。…そういうところが、胡桃ちゃん、気に入ったのね~~。だから、あぁ見えて吉竹、胡桃ちゃんには、絶対に頭、上がらないから。とにかく、奇麗。」

小埜瀬、ニッコリと、
「えぇ。そう聞いてます。…だから…、2日…前ですか。門倉で…。」

菜帆子、2度頷いて、
「あん。うんうん。歓迎会の次の日ね~~。」

「私が朝の事を部長に話しても、口を濁したままで。…けど部長、奈菜さんに、散々言われた挙句に。」
「まね~~。」

佐津香、
「そんな予想は…、してた。吉竹の事だから…、いつかは…。ボロが出る。…まぁ~~。その時は、その時だって。…でも…。」

そんな佐津香に小埜瀬、食べながら、
「えぇ。」

「私たち、課長の家で、びっくりして。」

菜帆子も佐津香を見て、
「うんうんうん。」

順平も、
「あ~~。うんうんうん。」
こちらも食べながら。

小埜瀬、キョトンとした顔で、
「びっくり…???」

菜帆子、
「うんうんうん。不動産の女性。」

瞬間、小埜瀬、口を大きく開けて、
「あ~~。はいはいはい。アクロスの江西美沙さん。はいはいはい。身長がこれくらいの…。」
自分の肩の下に右手を。
「人。」

菜帆子も佐津香も、
「うんうんうん。そぅそぅ。」
顔を見合わせて…。

菜帆子が、
「まさか、家まで来るとは…。」

小埜瀬、ニコニコ顔で、
「うんうんうん。門倉でもその話になって。」

菜帆子が小埜瀬を見て、佐津香を見て、そして順平を見て、
「私たちだってび~~っくり~~。」

そして佐津香、
「課長が…、最初のお客様だって。」

小埜瀬、
「えぇ~~。そうなんです。それを聞いて僕もびっくりして。中々どうして~~。まっすぐな方で~~。しかも、話の仕方も丁寧で。…なんだか、初めて会った気がしなくって…。ポンポン。ポンポンと、キャッチボールしているみたいで…。」
小埜瀬、頭の後ろを撫でながら、
「もし、私に娘がいたら、こんな感じがいいなぁ~~。な~~んて思っちゃったりして…。とにかく、しっかりと、質問には答えてくれて。何とも頼り甲斐があると言うか。てきぱきと。大学上がりとは見えなくって~~。入社してまだ1年。いやはや…。出来た女性でした~~。」

菜帆子、小埜瀬に、
「彼女、お子さんがいらしゃるって。1歳半だそうです。」

その声に小埜瀬、いきなり驚いて、
「え~~~ぇ…???…うそ。」
そして、
「はぁ~~~。なんか、全然子供がいるようには見えませんでしたけど~~。」

菜帆子、おかずを食べて、そして、
「出来ちゃった婚、の、様です。」

「おやおやおや。」








好きになれない。   vol,110.  「いいえ。一度も。あの時がとにかく、初めてで。」

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