賀寿恵、「何とも凄い、出会い。正に、運命的。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.147.

ドキドキ 「要するに。…何て言うのか…。…自分をしっかりと理解している。あの子だったら、もっとマシなアルバイト…。時給何千円とか…。」
麗子。

賀寿恵、その話に、
「うんうんうん。」

「アパートでパソコン使ったりして、いろいろとあると思うの。…なんだ…、けど~~。…それをやらない。自ら動いて…。それも…、安い時給だろうと自分から進んで。…だから、デリバリー。地理の勉強にもなれば、老若男女と知り合える。そして、ある意味、接遇。」
「うんうんうん。確かに。」

「それに、高2で、二輪車の免許も取ったらしいから。大学卒業前に、車の免許。旦那が取れって。海外でも、自分で運転しなきゃならないときがくるだろう。その時には、日本の免許も必要になってくるかも…。…と言うより。まず免許。それから…、国際運転免許だ。」

賀寿恵、麗子の話に、
「へぇ~~~、叔父様、中々徹底してるよね~~~。」

「かかかかか。望都がいなくなって…。今度は男が乗り込んできて。…で、その男が何とも、凄い奴。だったから、ねぇ~~。…で、隆英は、あれから海外に…。今や。」

賀寿恵、
「何とも凄い、出会い。正に、運命的。ディスティニーよね~~。」

ガイド、助手席から後ろに顔だけ、
「あと、10分くらいね。道、今、混んでるから。…でも、約束には間に合うよ。」

麗子、
「OK~~。」

賀寿恵も、
「は~~い。」





隆英もタクシーの中で、
「弓さん、何とも…、空手って…。いきなりナイフを突き出した相手目掛けて拳で一撃。…で、最後には相手の顔目掛けて蹴り…???…いやいや、凄いのなんの。」






そして…。約束の夕方6時。レストランに向かおうと…。
丁度、隆英が麗子たちの数メートル先を歩いていた。

その後ろで麗子、
「おっと。ふふん。」


すると…。若い派手な女性がレストランから出てきて…。
その時、何処かに隠れていたのだろうひとりの黒ずくめの男性。
黒い帽子を被って、レストランから出てきた派手な女性をいきなり羽交い絞めに。

目の前の出来事に驚く隆英。
「えっ???」
思わず狼狽。そして…、いきなりの事でどうすることも出来ず。

つまりは、相手の男性はナイフを持っている。
そして羽交い絞めにした女性の頬にナイフを近づけて何やらブツブツと。
女性もいきなりの事で何も抵抗する事が出来ずにいる。ただうろたえているだけ。

…すると…。
麗子の後ろから賀寿恵がスルスルと…。

麗子、そんな賀寿恵を見て、
「えっ…???…賀寿恵…???」

すると、賀寿恵、全面プリーツのスカートを揺らしながらも足取り軽く、
ナイフを持っている男性に近づき、そして羽交い絞めされている女性と男性の前に、
両手を両脇に、ニッコリと。

そして、男性を見て、
「ふふん。刺してみなよ。あんた、その女性、そのナイフで刺したら間違いなく傷害罪だからね~~。」
堂々と日本語で。

その声に男性、英語でブツブツと…。

すると賀寿恵、何とも大胆に。その男性の前で右手人差し指で、「カモン」の仕草。

男性が目の前の女にナイフを向けて手を伸ばした瞬間に、
それをすぐに交わして賀寿恵、男性の顔面に右手拳を一撃。
そしてナイフを持っている右手首を左手で握り締めて内側に捩じる。
その瞬間、男性は腕を捩じられた痛みに堪えられず右手からナイフを…。
床に落ちるナイフ。

そして賀寿恵は男性の喉を右手の平でドンと突く。
「ハッ。」

その衝撃でふらついた男性、後ろにたじろぎながらもヨロヨロとなったところを賀寿恵、
体を回転させて左足を自分の頭の位置まで。全面プリーツのスカートが奇麗にはだける。

そして男性の左頬に思いっきり。
「ふん。」

男性はガクンと首をもたげて床にバタンと倒れる。

全く動かない。

賀寿恵の全面プリーツのスカートだけがしなやかに揺れる。

数秒、静まり返るその場。

立ち尽くす隆英。そして口に右手を当てている麗子。その場を凝視して。

凡そ10秒後、顔を左右に小刻みに振りながら、腰を低く、いきなり、
「センキュ~。」と言って、その場を小走りに行く派手な女性。

隆英、目をパチクリと。そして眉間に皺を寄せて、
「…ん…???…えっ…???」
顔を僅かに右に傾げて…。

麗子も麗子で…、
「うそ。」

床に倒れた男性は、まだ動かない。

麗子、ようやく…、
「えっ…???…賀寿恵…、あなた…。」

隆英も、ようやく、
「わお。いやいやいやいや。」

麗子、目を真ん丸にして、
「賀寿恵、あなた…。…どうしちゃったのよ~~。え~~~???」

隆英、笑顔で、両手をパチパチと、
「いや~~~、凄~~い。…もしかして…、空手…???」

麗子、驚きながらも、
「あなた、いつの間に、こんな…。び~~~っくり~~。」

男性はまだ倒れたまま、動くこともない。

隆英、
「いやいやいや。凄いものを見た。」








好きになれない。   vol,050.   賀寿恵、「何とも凄い、出会い。正に、運命的。」

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