その手を握っての小埜瀬…。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.192

ドキドキ その手を握っての小埜瀬、
「…ん…???…凄。」

そして男性も、
「おや。」
目を丸くして…、そして、
「はは。」
ニッコリと。

武一、小埜瀬に、
「分かります…???」

その声に小埜瀬、吉竹を見て、
「え、え~~。何か、物凄い感触。ずっしりと。」

「はははは。」
武一。そして、頷きながら、
「うんうんうん。」

後ろから女性がおしぼりを。

武一、カウンターの中の男性に顔をチラリと、
「柔道やってんですよ。…って、言うか~~。今は。柔道の指導。」

男性、
「子供たちに稽古、つけてます。」

小埜瀬、
「へぇ~~~~。」

武一、
「取り敢えず、生。」

「あいよ。」
「僕の高校時代からの先輩。名前を門倉峻(かどくらしゅん)。」

峻、カウンターの中から、
「ども~~。門倉で~~す。」

小埜瀬、ペコリ、
「どうも。初めまして。小埜瀬と言います。」

後ろから女性。
「はい。どうぞ。お待たせしました。」
ピシッとした濃紺の作務衣とえんじ色のバンダナチーフの女性。

武一、
「サンキュ~~。」
そして武一、女性に、
「…で、こちらが、奥さんの奈菜(なな)さん。」

奈菜、男性に、
「初めまして~~。門倉の妻、奈菜です~~。今後共にご贔屓に~~。」

武一、
「…とは、言うものの、この店。実は…、奥さんの奈菜さんのお店。奈菜さんが、女将さ~~~ん。」

瞬間、小埜瀬、ビックリしたような体で、
「えっ…???…そうなんですか…???」

峻、カウンターの中から顔を。
「へぇ。」
そして、
「私…。実は、婿養子で…。へぇ。」

すぐさま小埜瀬、その声に、
「いや~~~。」
そして顔を右左に。
「全く…、そんな…。」
そこで一瞬、体を元に戻して、右手を口に、
「いや…。」
口の中の物を飲み込むような感じで。

武一、
「てっきり、旦那がこの店の。って…。」

その声に頷く小埜瀬。

武一も頷いて、
「うんうんうん。まぁ~~。普通ならねぇ~~。こんなごっつい、でっかいのが居酒屋の、ねぇ~~。店の大黒柱。的な~~。客にはそう見えますよね~~。」

峻、頻りに笑顔で…。
「でぇ~~。とかく、女性は店員と…。ところがどっこぃ。この店の女将。旦那は…。まぁ~~。店主。では。あるよな~~。」
峻、ニコニコと。
「まぁね。つぅか。殆ど、カミさんで、この店。持ってるんですけど。かかかか。」

武一、
「確かに。不細工な男より、奇麗な女房~~。しかも、とびきり美人で声もいい。」

そんな武一に奈菜、クスリと笑い、
「何言ってんのよ~~。はいはい。飲んで、飲んで。」

武一、ジョッキに手を。
「おし。とにかく乾杯。」

小埜瀬も、
「あ、はい。」

そしてジョッキを。
ふたり、共に、グィッと。

そして、
「くぅ~~~。」
「あ~~~。」

武一、
「まっ。確かに。奇麗なカミさんと来れば、店も繁盛、間違いなし。」

その声に小埜瀬も、
「本当に奇麗ですよね~~。」

峻、武一に、
「いつものんで、いいか…???」

武一、
「あぁ。…でも、小埜瀬さん。好きなのじゃんじゃん。とにかく、初日。第1日目。」

小埜瀬、
「はぁ~~。」
畏まって、
「はい。頂きます。」


そして…。飲みながらの小埜瀬。
「あ。そう言えば…。女将さんを見て思い出しました。まっ。女将さん。本当に奇麗なんですけど、マーケティング事業部も、これまた凄い。奇麗な方々ですよね~~。僕なんか、思いっ切り緊張ですよ~~。」

そんな声に武一、ニタリと、
「ほぉ~~お~~。」

峻も、カウンターの中で、
「へへ。」

「まっ。確かに。」
武一。腕組みをして。
「まっ。ある意味、これは…。人事、だよな~~。化粧品会社たるもの。…な~~んてな~~。化粧すれば、増々奇麗に。」

小埜瀬、
「いや。ほんとなんですよ。何だか、美人アナウンサーや女優…???…なんかのグラビアに出て来そうな。」

「あ~~らま。そんな風に~~???」
いきなり奈菜。

目をパチクリと。そして右手を振りながら小埜瀬、奈菜に、
「いやいやいや。…でも、実際、そうなんですから。」

奈菜、
「まっ。確かに。ここにもたまに、順平ちゃんや龍二くんが静歌ちゃんや、耀ちゃん。基美ちゃんと一緒に来ることあるけど、ふん。奇麗よね~~。うんうんうん。確かに。そう言われれば、美人女子アナ。そんな感じかも知れない。うんうんうん。女性としては、嬉しいよね~~~。…でも、小埜瀬さん。前は…、確か…、仙台って…。武一っちゃんから。」

一瞬、小埜瀬、吉竹の顔を見て、
「部長…。その…、何て言うか~~。ちゃん…???」

武一、
「うん…???」
そして、照れながら…、
「うん。まぁ~~。あははははは。」

小埜瀬、
「うん…???」

武一、
「…って言うか…。」

「かかかかか。」
いきなり峻、
「だよな~~~。武一~~。奈菜には、頭、上がんないよな~~~。背中、叩かれて、尻(ケツ)叩かれて~~~。かかかか。」

武一、顔をヒョットコのような顔で、
「しかたないでしょ。」

峻、小埜瀬に、
「それこそ、こいつのカミさん、美人女子アナだよ。」

思わず小埜瀬、
「うそ。」








好きになれない。   vol,021.   その手を握っての小埜瀬…。

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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