「今後のマーケティング事業部、乞うご期待。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.133.

ドキドキ 「そうですか~~~。」
社長の伊縫舞桜(いぬいまお)。
「お会いできて何より。しかもこれからは。」
ニッコリと。
「是非、期待しております。頑張ってください。」

小埜瀬、伊縫に深々と一礼をして、
「ありがとうございます。」

吉竹、
「では社長、これから他を回りますので。」

伊縫、軽い会釈を、
「お願いします。」


そして吉竹と小埜瀬、社長室から廊下に。


伊縫、机の引き出しから一枚の資料を…。そして机の上に…。
「小埜瀬瑛士(おのせえいじ)。56歳…かぁ~~。ふ~~ん~~。」
そして傍にいる社長秘書の由利塚理江子(ゆりづかりえこ)に、
「中々逞しそうな方~~。何だか、武一とあんまり変わらないような。」

秘書の理江子も、ニコリと顔を傾げて、
「う~~ん。」

「さて。今後のマーケティング事業部、乞うご期待。何が待っているかしら~~~ん。」
伊縫、窓から見える東京の景色にニコニコしながら…。

そんな伊縫を見て理江子、訝しそうに、
「社長…???」

伊縫、
「しかも…。元々…東京の人。へぇ~~~え~~。」






廊下を歩きながら吉竹。
「仙台は…、長いんですか…???」

その声に小埜瀬、
「あ、いや…。それほど…と、言うか…。」
頭を傾げて…。
「10年に…、なりますか。えぇ。」

「10年と…、言いますと…???…ここより前は…???」
「えぇ。元々は、東京なんですけど…。」

「はい。」
「大学、卒業と同時に、スポーツトレーニング関係の仕事に。」

「ほぅほぅ。確かに。」
吉竹。
「見るからに、ガッチリしてますよね。体。」

その声に小埜瀬、
「あ、は。いえいえいえ。…でも、まぁ。大学時代に、ラグビーやってましたんで。」

その声に吉竹、目を真ん丸にして、
「なんと。ラグビー。」

「えぇ。」

「いや…。…けど…。なんで…???…大学でラグビー…???…で、今は、化粧品会社…???」
そこまで言って吉竹、
「あ、いや。すみません。…まっ。大卒でスポーツトレーニング関係の仕事と言うのには、合点がいくのですが…。」

小埜瀬、
「えぇ。インストラクターと営業やってました。…そこで、10年ほど。」

「はいはい、なるほど。」
「けど…。…残念ながら…。ある事が切っ掛けで…。」

「ある事…。」
そして武一、
「あっ。ここが…。企画開発事業部。どうぞ。」

小埜瀬、
「はい。お願いします。」






そして…、昼。

小埜瀬、吉武から誘われて、蕎麦屋に。仕事の話は常に。
そして…。
「どうですか、久々の東京…???」

「えぇ。何とか、頑張りたい。頑張らせてください。そんな感じですね~~。」

吉竹、ニコニコとしながら、
「期待、してますよ~~。あ。それはそうと…。つかぬ事、お聞きします。午前中の…、あの…。ある事が切っ掛けとは…。」

その話に小埜瀬、
「あ~~。はい。…実は…。大学卒業後に、スポーツトレーニング関係の仕事…、インストラクターと営業やってたんですけど…。」

「えぇ。ひょんな事で、社長が交代しちゃったんです。」
「おやおやおや。…と、言うか…、そのスポーツトレーニング関係の仕事って…???…どこかの企業…。」

「えぇ。トラスビーと言う。」

いきなり吉竹、
「トラスビー。うそ~~~。あの…、スポーツ用品の、有名な…。スポーツ関係トップクラスじゃないですか~~。」

その声に小埜瀬、頭を撫でながら、
「えぇ。まっ。確かに。」

「何~~。そんな凄いところで…。」
「いや…。まぁ~~。えぇ。」

「ある切っ掛けですか~~。社長の交代…。」
「えぇ。…いわゆる…、汚職って…奴ですか。内部告発がありまして。」

吉竹、その声に、
「うわぁ~~。」

「…で、その社長が交代して、次の社長が…。」
「えぇ。」

「ただ…。…これが…、外面はいいんですけど…。とにかく、ワンマンで…。しかも…。かなりの、どうでもいい的な…。」
「どうでもいい…。」

「確かに、経営力はある…らしいんですよ。銀行の副頭取まで登り詰めた方だったらしいんですけど…。」
「えぇ。」

「…けど…。その実…、販売ノルマが凄い。…しかも、それは製造ラインまで…。…で、結果的に、不良品が出る。」
「えぇ。」

「けど、今度はその不良品まで販売の…。」

瞬間、吉竹、
「ぇえ~~~???」

「…で、遂にはその製品やマシーンで、負傷者が…。電気系統の不備。いろんな意味で、動かない。誤作動。…でも、それだけでは済まなく…。」
「ふん…???」

「それを今度は営業側が、説明が悪過ぎると…。しかも…。しかもですよ。それを、何故、そこまで確認せずに販売しているんだ。と。」
「はい…???」

「話がもぅ~、出鱈目過ぎで、社長に直談判したんですけど…。」

吉竹、
「はぁ。」

「そこで…。つい、カァ~~と、なって…。つまりは…。」

吉竹、ニヤリと、
「おっと~~。」

小埜瀬、恥ずかしそうに、
「えぇ。ご想像通り。」
握り拳両手を自分の顎まで…。

吉竹、
「襟ぐり掴んで…。」

「えぇ。」








好きになれない。   vol,016.   「今後のマーケティング事業部、乞うご期待。」

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