2日後、通路の掲示板で…。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.121.

ドキドキ 2日後、通路の掲示板で…。

「辞令。以下の者。6月20日付けで、百貨店扶桑東京本社、システム企画部部長に任命する。百貨店扶桑関西支社、コンプライアンス部課長、松樹美知佳。」
尚子。
「わぁ~~。ほんとだ~~。」

輪湖、
「でしょう~~。」

尚子、3人を見て、
「…で…???…でででで。3人はもぅ、この…、松樹さん、会ったんだ~~???」

葉子、
「前も言ったように、匡子さんのお店でね~~。」

秀美、
「すごい奇麗な人。それに、声も奇麗~~。」

輪湖、
「うんうんうん。」





総務部長の倉橋和音(くらはしかずね)、傍の美知佳に、そして社員たちを見て、
「今日から日比谷部長の代わりに、1年、システム企画部部長を務めさせて頂く松樹美知佳さん。関西支社からの方です。みなさん、よろしく。」

美知佳も、全員に、
「よろしくお願いいたします。」

その第一声で、社員たち、思わず騒めく。

そんな景色に総務の倉橋、松樹を見てニッコリと。そして、
「かつて…、こちら、松樹さん、以前、アナウンサーになろうと…。」

瞬間、美知佳、顔を左右に揺らして、両手も左右に、
「いえいえいえ。全然。そういう経緯はございません。」

その声に部署全員、
「奇麗な声~~。」
そしてそれぞれが、
「よろしくおねがいしま~~す。」

そんな景色に倉橋またニッコリと。松樹に、
「では、よろしくお願いします。」

美知佳、
「はい。ありがとうございます。」

「園家(そのいえ)さん、後はお願いね。」

園家と呼ばれた女性。園家真理子(そのいえまりこ)システム企画部課長である。
「松樹部長。よろしくお願いします。システム企画部課長の、園家真理子と申します。」

美知佳、
「えぇ。お話は伺っております。よろしくお願いします。」

真理子、僅かに緊張した態度で…。






壁の時計を見て大貫弥十(おおぬきやそ)、
「今頃…、東京で…。仕事、始めてるか~~???」

そんな弥十から3メートルほど離れた壁際の席で、辻村桜子(つじむらさくらこ)、
「あぁ~~あ~~。これから1年…。ふたりっきりかぁ~~。…もぅ~~。部長~~。ここには、誰か他に、入って来ないんですか~~???」

そんな桜子の声に、弥十、
「無~~理言っちゃあ~~困るよ~~。誰でもいいって部署じゃないんだ、ここは~~。それでなくとも配属にはかなり神経尖らせてる~~。」

そんな弥十に桜子、
「だ~~って、課長がいなくって、話し相手、いないんですから、仕方ないじゃありませんか~~。」

「まっ。確かに。否定は…しないが…。」
そして弥十、桜子には聞こえるか微妙な声で…、
「孫ほどの…、年齢の女性と…。なぁ~~。…それを考えると…、幾ら前、仕事上とは言え…。…やりにくい。」
そして弥十、
「がぁ~~。とにかくだ。辻村君。晩飯、奢ってやる。」

瞬間、桜子、待ってましたとばかりに、両腕でガッツポーズ。
「やった――――――っ!!!」

そして弥十。頭の中で、
「…そして…。また…このお腹の何処に、あれだけ入って行くのか…???…全く以って、不思議だ…。」


事実、この辻村桜子。見た目、華奢な体型ではあるのだが、大食漢。しかも、酒も強い。
そして、飲み始めるとキャラが変わる。
その変わりっぷりが面白いために、月に何度かは弥十が食事に誘っている。
そして、実に憎めない性格。それで性格がキッチリとしている。

ある意味、どこの役職者であろうと、「物言い」は、する。
そのために弥十は、コンプライアンスには打ってつけと、即決したのだった。




そして…。

秀美から、母と約束をした日がその3日目の金曜日の夕方。
ところが…。

その日の朝、葉子のスマホにライン。
「…ごめん。さっき課長には電話したけど…。40度の熱。今日…、ごめん。」

そのメッセージに葉子、
「わ~~お、輪湖~~。」

そして、出社すると、尚子、
「なになになに。輪湖が休み~~???…珍っずらしい~~。いつもヨウちゃんと一緒だから、病気なんてしないのかと思った~~。」

その声に葉子、尚子を見て、
「どうして私と一緒だと、病気しないのよ~~。」

「いやいやいや。」
尚子。
「だ~~って、私の知る限り、ヨウちゃん、一度も仕事、休んだ事ないでしょ。」

そんな尚子に葉子も、僅かに頭を傾げて、
「まっ。確かに。ふん。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,182.   2日後、通路の掲示板で…。

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