陣屋、ふたりを見て、「ふたりとも、今日、時間ある…???」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.129.

ドキドキ そんな葉子の声に陣屋、ニッコリと、
「そっ。OK~~。さっすが、財務企画1。仕事、早いわ~~ヨウちゃん、相変わらずね~~。」
そして陣屋、
「あっ、輪湖~~。」
輪湖と葉子、ふたりを見て、
「ふたりとも、今日、時間ある…???」

輪湖、葉子の向かいの席から、
「えぇ~~、はい。葉子~~。」

葉子、陣屋の方に体を捻って、
「分かりました。」

陣屋、
「OK~、サンキュウ~~。」
そして蔵井氏の方に顔を、
「学ちゃん、OKよ~~。」

その声に蔵井氏、
「承りました。」
ニッコリと。

そんな蔵井氏と陣屋を見て輪湖、
「……。」





そして、30分後…。

最後のグラスを蔵井氏の前に、
「はいどうぞ~~。」

蔵井氏、
「サンキュウ、愛生(あき)ちゃん。」

愛生と呼ばれた女性、
「どうぞ~~。ごゆっくり~~。」

陣屋、
「それでは…。」

4人、一斉に、
「いただきます。お疲れ様でした。」

それぞれが疲れた体にビールを…。

陣屋、輪湖、そして蔵井氏、
「ん~~。旨い。」

そして葉子、
「ふ~~。うん。美味し。」

カウンターの中の男性、
「なんか、珍しいじゃない、滅多にないよね、この組み合わせ…???」

そんな声に蔵井氏、苦笑いをして、
「まま。マスター。」

そんな男性に陣屋、
「いやいやいや。滅多にないわは、ないんじゃな~~い。ヨウちゃんにしても、輪湖にしても、ここの常連なんだからさ~~。」

「いやいや。それは分かってるけどさ~~。いや、姉御とガクちゃんがヨウちゃんと輪湖を一緒に連れてくるって言うのが、珍しいって…。いつも、殆ど、アサスズガクトリオなんだけどね~~。」

その声に輪湖、
「かかかかか。何…???そのネーミング…???おもしろ~~い。アサスズガクトリオ。部長~~???」

その声に陣屋、
「かかかか、通(とおる)ちゃんが勝手に付けた名前。まっ、テキトーにね。」

「な~~に言ってる~~。テキトーが一番。うん。人生、テキトーで、生きていれば、ストレスなし。商売も同じ。結構テキトーでやっていると、お客さん、集まってくるもんなんだよ~~。」

そんな声に陣屋、
「出ました、通ちゃんのテキトー語録。まっ、そんなんでも、なんだかんだ言って、人気あるもんね、テキトー男の店~~。」

そんな陣屋の声に男性、
「お褒めに預かり光栄でございます。お客様~~。」
ニッコリとしながら両眉を上下に数回。

その顔を見て陣屋、
「出た~~。テキトー男~~。」

「かっかかかかか。」
大声で笑いだす男性。

輪湖、
「…って言うか、キモイでしょ、通ちゃん。」

瞬間、ギロリと輪湖を睨み、
「うるさいよ、そこ。」
そしていきなりニッコリと。
「いいんだよ、テキトーで。」

「はいはい。はい。まずは、メニュー、ふたりとも、お腹空かない…???」
蔵井氏。

陣屋、
「あっ、そうだ、そうだ。ヨウちゃん、輪湖~~。今日は、学ちゃんの驕りだからね~~。」

その声に蔵井氏、いきなり陣屋を見て、
「はぁ~~~あ~~???」

輪湖、
「ぷっ。」

「かかか、冗談よ、冗談。」
陣屋、口を真一文字に笑顔で…。

カウンターから、
「あんたも結構、テキトーね。姉御~~。」

その声に陣屋も、口を尖らせて顔を顰めて、
「うるさいよ。」


ここ、百貨店扶桑から駅の方に歩いて15分程度だろう。
外見はこじんまりとはしているが、入ってみると意外と店内は広い。
しかも、店の看板からなんともユーモラスなネーミングが…。
「高村(こうむら)家の食卓」和洋中華、なんでもござれ。
店主は高村通(こうむらとおる)75歳。白髪交じりの、顎鬚の男性である。

以前はミシュラン2つ星のレストランで働いていたが、
その店のオーナーの経営手段に堪忍袋の緒が切れて店を辞め、
借金を抱えて自分の店を持って30年。適当な発想と何かしら憎めないキャラクターでも、
まさかの、老若男女から愛され…、続けている。

しかも…、いつ寝ているのかすら客には分からない。とにかく、まず一日中店は開いている。
それに…、店の休日も…決まっていない。…と、言うか、休む日があるのだろうか…???

そして、この高村と一緒にこの店で働いている女性が水越愛生(みずこしあき)。
年齢33歳。働いていると言う意味で、店員…かと、思えば店員に非ず、アルバイト…???
かと、言えば、アルバイトにも非ず。

高村に言わせると、
「私ゃ、雇った覚えはないね。」
と、笑いながらも突っぱねる。

では、この女性は何者…???
…と言うと、実は、高村の孫に当たる。

子供の頃から高村の料理が好きで料理人になりたく兵庫から上京している。






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,020.   陣屋、ふたりを見て、「ふたりとも、今日、時間ある…???」

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