柚花、涼香の前でモジモジとしながら…、
「だって…。」
「まぁ〜ねぇ〜。去年の10月辺りからね〜〜。」
和咲。
涼香、その声に、
「去年の10月…???」
柚花、ようやく話せるように…。
「初めて…、バスケの試合見た。」
「…と、言う事は〜〜。」
涼香、両目で右左…。
「新人戦…???」
柚花と和咲、コクリと頷いて、
「多分…。そうだと思う。」
智花、
「私は…、行けなかったん…だ…けど…。」
柚花、
「うんうんうん。新人戦。他の女子たちも男子バスケって言ってたかにら…。」
涼香、
「それで…。試合、見たと…。」
そして涼香、ペコリと頭を…。
「ふん。お蔭様で、新人戦、天辺、頂きましたけど…。」
今度は柚花、表情豊かに、
「うんうん。凄かったよ、凄かった。」
「えっ…???凄かったって…。新人戦。もしかして…、全試合…???」
和咲と智花、
「ふん。」
「私も、途中からはふたりに付き合って…。」
和咲、
「それからだよ、いきなり菅田君、菅田君って…。」
涼香、
「あらら。見てたんだ〜〜。」
和咲、
「もぅ…、凄かったもん、柚花、菅田君活躍する度に、物凄い表情。両手叩いたり…。」
涼香、思わず顔をのっぺりとした感じで、
「いやいやいやいや。」
智花、
「…でもって、インターハイでしょ。そして年末のウィンターカップ。」
その話に涼香、キョトンとして、
「えっ…???…インターハイ、ウィンターカップ…???…もしかして、あなたたち、来てたんだ~~。」
その声に3人共に、
「ふん。」
涼香、
「わお。全~~然っ、気付かなかった~~。」
そして顔を傾げて…。
「…って、言うか、結構凄い人たちだったから…。」
柚花、
「試合…、終わった後、ほんとはバスケ部の人たちに…。けど…、人が多くって…。そのまま帰ったけど…。」
涼香、
「へぇ~~。そうだったんだ~~。…で、柚花が…、菅田将輝…。」
瞬間、柚花、思いっきり頷いて。
「やめときなさいって。」
涼香、顔をグンニャリと…。
智花、柚花の隣で、
「でもさ、涼香~~。」
「ん~~~???」
「菅田君って、今…、その…、彼女とかって…???」
瞬間、涼香、理沙の顔が頭に…。けれども、独り言のように、
「…あ。でも、あれは…ないか…。」
そして、
「ふん。いないと…、思うけど…。」
途端に柚花、表情を明るくして、
「わっ!!!」
和咲、
「んじゃあ~~、いいんじゃない。」
「だから~~。」
涼香、
「菅田将輝はバスケバカだって~~。前から言ってるじゃん。バスケ以外は全く興味ない男子だよ~~って~。」
「分かんないじゃ~~ん、そんな事~~。」
智花。
その声に涼香、
「なんでよ~~。」
和咲、
「智花、葛西校のサッカー部の男子と今、付き合ってる。元カノがいたんだけど~~。今は智花にその男子も夢中~~。だから。」
涼香、目をパチクリと、
「うそ~~~~???」
智花、
「何が、嘘よ。だから~~。涼香~~。」
いきなり智花、涼香に頭をペコリと、両手を合わせて。
同じく柚花も和咲も…。
涼香、
「え゛~~~。」
そこに、「起立~~~つ。」
3人、
「おっと~。」
「あっ。」
「やば。」
涼香、鼻から息を…、
「ふ~~~ん。」
そして…。
椅子に座って、髪を撫でて、
「な~~んか、ややっこしく、なってきたな~~。」
その後、放課後まで涼香、3人から散々頼まれて…。
「…ったく~~。どうなっても知らないよ~~。」
そして涼香、また久しぶりに将輝にライン。
将輝、
「おっと…。ん…???涼香さん…???…ん~~???…部活始まる前に、ちょっと話がある。自転車置き場で…???…は…あ…???」
そして…授業終了。
将輝、自転車置き場に。
待っていた涼香、
「あっ、将輝~。ごめんね、部活の前に。」
「あっ、うん。なんすか、話しって…???」
将輝。
「それ…なんだ…けど…さ。」
その様子を数メートル離れた角で見ている智花と和咲、
嬉しそうに両手を低くパチパチと…。
そしてふたりからその事を聞いた柚花、教室で、ホッとしたような顔で…、
「やった~~。」
涼香の話を聞いての将輝、顔をグンニャリとさせて、
「俺…を…、ですか~~???」
涼香、将輝の前で両手を合わせて、
「お願い。一応、会うだけ、会ってくれない。…んじゃないと、いつまでも~~。」
そんな涼香に将輝、頭を掻きながら、
「まっ、会うだけなら、いいっすけど…。涼香さんの頼みなら…。」
「ほんと…???サンキュ。ごめん。」
そして、
「また、連絡するから。」
涼香、そのまま廊下の方に。
将輝、顔を傾げて、
「な~~んだ…かな~~。」
信じて…良かった。 vol.173. 柚花、涼香の前でモジモジとしながら…。
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。