「そりゃもぅ~~、大変でございますぅ~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

THMIS mama “お洒落の小部屋”

好きになれない。  vol.131.

ドキドキ そして和奏、紙袋から一冊の本を…。
「ほぃ。買ってきたよ~~。これでいいんだよね。」
理沙に一冊のコミックを…。

理沙、そのコミックを手に取って、
「わお。サンキュ~~。うんうんうん。これこれ。」

理沙に近づいて栞奈、
「ん~~???…コミック…???」

理沙、
「うん。」

「今、あんた、何読んでんの…???」
そして理沙の顔に自分の顔を下して、
「…倉橋君と持田さん…。ふ~~ん。」

理沙、
「今、これ…、凄い人気。」

「へぇ~~。そうなんだぁ~~。かかかか、私ゃ、ドラマだけどね~~。」

そんな栞奈に、
「もしかしたら…、ドラマ化になったりして…。高校生の胸キュンの物語だから…。」

「へぇ~~。」



そして15分後に和奏、腕時計を見て、
「おっと、時間だ。かあさん、先生と約束があるから、診察室に…。」

理沙と栞奈、
「うん。」




その日の夕方…。病室のドアが開いて。理沙を見るなり、
「ジャジャン。」
杏美である。

理沙、ベッドの上で、
「ヨッ。」

そして、杏美の後ろから入ってきたのが一樹。

理沙、
「かかかか。いっき先生~~。」

一樹、
「ヨッ。元気そうだな。…何、車椅子ってか…。」
部屋の隅にある畳んである車椅子を見て。

理沙、
「うん。おかあさんとお姉ちゃんに先生に頼んでもらった。」

「まっ。だろうな~~。何ともポジィティブなお前の事だ。おとなしくベッドの上での生活なんて、柄じゃないだろ。」

その声に理沙、
「かかかかか。おかあさんにもお姉ちゃんにも同じこと、言われた~~。」

「…で、どうなんだぃ。脚の方…???」

「うん。まぁ。順調だって、問題点も見受けられないし。とにかくじっくりと、無理せず。だ~~って。」
淡々と話す理沙。

そんな理沙を見て微笑む一樹、
「そか。」

理沙、杏美を見て、
「ねね、今、部活…、どんな感じ…???」

その一言に杏美、顔をクシャリとさせて…、
「ミュ~~。もぅ~~。とんでもなくビシバシ。…どこの誰かさんが、データー戦略に匹敵させるチームを作るんだって、そりゃもぅ~~、大変でございますぅ~~。」
唇を尖らせての杏美。

その声にいきなり馬鹿笑いで両手を叩く理沙、
「キャッハハハハ。」
いきなり体をベッドから僅かに飛び跳ねるように。
その瞬間、理沙、顔をクシャリと、
「あた…。」

一樹、いきなり体を前に、
「おぃ。無理すんなって…。そんな、いきなり。」

理沙も、苦笑いして、
「てててて。ヤバイ、ヤバイ。車椅子も取り上げられちゃう。」

一樹、
「…ったく~~。…心配させんなって~~。」
そして一樹、杏美を見て、
「な~~にが、とんでもなくビシバシ。…どこの誰かさんだよ。…それに、な~~にが、そりゃもぅ~~、大変でございますぅ~~。だよ。…ったく。」
自分も口を尖らせて…。

理沙、
「かかかか。…で、なによ、その…、データー戦略って…???」
杏美を見て…。

杏美、理沙に、
「ふん。芙美から聞いたんだけど。何やら、鴻上のバレー部、今、データー戦略ってやってるみたい。バレー部監督の先生の趣味がIT関係なんだって。」

「へぇ~~。そうなんだぁ~~。鴻上の監督が~~。」

一樹、杏美を見て、
「おまえ…らぁ~~。凄ぇなぁ~~。どっからその情報…。」

「…って言うか~~。芙美に鴻上に行っている、従妹がいるんだって。情報は、そっから…。」

その話に理沙、
「へぇ~~。」

そして杏美、理沙にもいろいろと話を…。



その話を聞いて一樹、腕組みしながら、
「しっかし…、おまえら…、よくもまあ…、そんなに細かく…。」

杏美、一樹に、
「いやいやいや。だから~~。従妹がいるから~~。」

いきなり一樹、
「あ~。あ~。分かった、分かった。はぃはぃ。」
左手を左右に振りながら…。

理沙、
「いやいやいや。でも…、凄いよね~~。…とにかく、その転校生…。ん~~。確かに…、いたよね~~。見掛けないのが…。」

杏美、
「ん~~。言われてみれば…。うんうんうん。」
けれども杏美、一樹に、
「でもさ~~。先生。がむしゃらにビシバシやっても…、拉致…あかなくない…???」

その瞬間、理沙、
「ぷっ。それは言える。」






信じて…良かった。   vol.009.   「そりゃもぅ~~、大変でございますぅ~~。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


《PR》
庄司紗千 花笠音頭

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ