エレベーターの中に車椅子を自走して麗亜、
「ヨッと~~。はは~~。うっれしぃ~~。同じ階に、いるんだ~~。ふふん。」
車椅子を操ってドアに向いて。
「ねっ、お兄ちゃん。」
その声に将輝、
「あ~~ん…???」
「もしかして…、友達になれるかも~~。」
「誰とだよ~~。」
麗亜、
「さっきの人たち~~。」
兄を見上げながらの麗亜。
「さっきの人たち~~???…あぁ~~。」
そんな兄を見て麗亜、
「ふん。お兄ちゃんには…、関係ないか…。」
「ふん。あったりめえだろ。」
病室に入って…。
麗亜、
「ただ~~いま。」
そんな麗亜と将輝を見て、
「はい、おかえり~~。」
病室で椅子に座り、脚を組んで雑誌を見ている流美(るみ)。
麗亜と将輝の叔母である。
麗亜、
「お姉ちゃん、先生…???」
そんな麗亜に流美、
「うん。OK、順調だって。」
その声に麗亜、
「あは。ありがとう~~。」
「よし。んじゃ、私は、帰るね~~。将輝~~。あと、よろしく~~。先生から話は聞いたから、父さんにはあとで話すわ。夕食の準備して夜勤入るから~~。」
そんな叔母に将輝、
「あぁ。分かった。」
流美、車椅子の麗亜の頭を撫でて、
「じゃね~~。」
ニッコリと。
麗亜、
「うん。わざわざありがと。」
「着替えは…入れといたからね~~。」
「う~~ん。」
そして流美、振り向き際、麗亜を後ろから抱き締めて、
「寂しいからって、泣くんじゃないよ~~。かかかか。」
麗亜、流美から抱き締められて嬉しくて、
「ははは。わ~~かってるよ~~。うん。大好きだよ。お姉ちゃん。」
そんな麗亜に、
「おぅ。じゃね。」
菅田流美(すだるみ)、都内のクリニックに勤務している准看護師である。
麗亜と将輝にとっては叔母にあたる。けれども、麗亜は、「お姉ちゃん。」と呼んでいる。
その理由は…。
流美、廊下を歩いてエレベーターに。
ドアが開いて…。ひとりの女性と鉢合わせ。
その時、お互いの目が微妙に絡む。
流美、頭の中で…、
「…女優…???それとも…モデル…???」
その女性も、目をパチクリさせて…。軽く会釈を…。
そして頭の中で、
「…なんだか…、モデルみたい…。」
エレベーターのドアが閉まる。
女性思わず、エレベーターに振り向いて…。
「凄っ。この階に…、あぁいう人…、いたんだぁ~~。わお。」
そしてまた廊下に…。和奏である。
そして和奏、理沙の病室に…。
「あれ…???…車椅子もない…、と、なると~~。さて…。」
そしてバッグからスマホを…。
スマホの着信音で栞奈、
「おっと~~。かあさん。」
理沙、
「うん…???おかあさん…???」
「ふん。…んじゃ、病室、戻ろっか。」
「うん。だ~~ね。」
屋上からエレベーターで…。
理沙、なにかしら頭を左右に揺らして…。
そんな理沙を見て栞奈、
「なんだか…、嬉しそうなんだけど…。」
そんな姉に理沙、
「うん…???分かる~~???」
そして理沙、
「かかかかか。麗亜ちゃん、なんだか…、凄い可愛かった~~。」
栞奈、クスクスと笑いながら…。そしてコクリと顔を…。
「うん。はは、確かにねぇ~~。」
そして病室に…。
「おっ、来たか~~。」
和奏。
理沙、
「おかあさ~~ん。」
「ひょっとして…、屋上…???」
栞奈を見て…。
そんな母に栞奈と理沙、
「…う…、うん。」
和奏、
「おぅ。はは。理沙にはいいね~~。外の空気~~。」
「うんうんうん。凄いよ、おかあさん、この病院の屋上。ものすんごい。奇麗なお庭~~。」
その声に和奏、目をパチクリさせて、
「えっ…???うそ…???…そんな…???」
和奏、栞奈と理沙を見て…。
栞奈、そんな母親にニッコリと頭をコクリと…。
和奏、
「へぇ~~。おかあさんも…、後で行ってみよう~~。うん。」
理沙、ニコリと、
「うん。」
そして栞奈もニコニコと。そして栞奈、
「ねね、かあさん…。」
和奏、そんな栞奈に、
「うん…???」
理沙もニコニコと…。
「この階にさ…。」
和奏、
「うん。」
栞奈、
「かっわいい中学生の入院患者がいるんだ~~~。」
ニコニコと…。
その瞬間、理沙、
「あは。」
和奏、
「えへ~~。」
にこやかに、
「そぅ~~。」
信じて…良かった。 vol.008. そして頭の中で、「…なんだか…、モデルみたい…。」
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庄司紗千 きっと大丈夫
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