薫子、「とにかく…、早く帰って、シャワー。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.130.

ドキドキ 薫子、
「とにかく…、早く帰って、シャワー。そのまんまだったら風邪ひいちゃうよ~~。」

茉祐子、その声に、口を尖らせて、
「う~~~~。」

「まっ、スニーカーを履いてたってだけは…正解。サンダルじゃあ~~、最悪だったよ~~。」
茉祐子の足元を見て薫子。

茉祐子、クシャリとして、
「ぶ~~~。」


車は走る。




シャワーを浴びて、着替えて茉祐子、リビングに。

薫子、
「はい。コーヒー。」

「ありがと。」
カップを持って茉祐子、椅子に座って…。
「あ~~。最悪だったわ。あそこでおとうさんの車…、見つけられなかったら、やばい、やぱい。」

薫子、
「私も、久々にパパの車、運転したわ。かかかか。」
そう言って薫子、
「辺りがいきなり光って、すぐに雷。しかも…わっ。と思ったら、一気に雨。どしゃぶりだよ。すぐに茉祐子ちゃんの事が頭に…。ラフな格好で…散歩。慌てて電話しても、スマホにも出ないわ、雨は降り続けるわ。あなたはあんなラフな格好はしていたわ、時間は経つは…。もぅ~~慌てた~~。」

茉祐子、その声に、
「ごめんなさ~~い。」

薫子、自分もカップを持って、茉祐子の前に…、
「さて。どうした~~???…休みにはあんまり家にいる事のないあなたが…。今日は…???」
そして、
「真純さんと聖子さんの前での…、あの…慌てよう~~。ん~~。どうした、茉祐子~~???」

その声に茉祐子、薫子を見て、そして目線をゆっくりと下に…。
「おかあ…さん…???」

「ん~~???」
「この前ね…。」

「ふん…???」
目を丸く、薫子。

「私…、羽田さんに…会ったんだよ。」
「ふん。そんな事…、言ってたよね。」

「うん。…で、話しした。」

薫子、茉祐子を見て、
「話しした…???…えっ…???」

茉祐子、カップを両手で持って、そして一度啜って。

薫子、
「はい…???何を…???」

茉祐子、薫子のカップを見つめたまま、じっと…。
「霧島さんの事…。」

「えっ…???」

その声に薫子、表情が変わる。

茉祐子、続ける。
「私…。」
茉祐子、カップを見ているはずの目が、今度は焦点の合わないような感じで…。
「私…、霧島さん…の事…、好き…なんだ。」

瞬間、薫子、
「茉祐子…。」

「好き…なんだ…。」
そこまで言って、今度は茉祐子、顔を傾げて、
「…って、言うか、今は…もぅ…、好きだった…だけど…、ね。」

薫子、そんな茉祐子に困ったような表情で、
「ま…茉祐子…ちゃん。」

「わ…、私ね…、霧島さんの事…、好きだった…。好きだったんだ~~けど…。…その…これからも…、好きになること…、やめた。」

その話に薫子、
「えっ…???」

「おかあさんみたいに…、霧島さん…、好きになる事…、やめた。」

「茉祐子…ちゃん。」
そして薫子、
「もしかして…。…その事…、羽田さん…から…???」
茉祐子を…、顔を傾げて見るように…。

茉祐子、まだ焦点が合わないかのような目で…。
そして声は出さずに、顔をコクリと…。
「私…、羽田さんには話さなきゃって思って…。」

「羽田さんに…話す。」

それにまた茉祐子、顔をコクリと…。

そして、
「どう…いう…???」

茉祐子、
「おかあさん。私ね…、実は…。」

茉祐子、一颯の家でのバーベキューの事から、
凛久の事を少しずつ意識し始めた事を薫子に話す。

薫子、
「茉祐子ちゃん…。」

そして茉祐子、時々凛久と偶然にも会っての様々な事。
そして凛久の彼女のふりの事まで、薫子に一切合切、隠すことなく…。
話している時の茉祐子、キョトンとした顔。そして口を尖らせてたり、
口を真一文字にしたり、ぐしゃりとした顔をしながら…、凛久との今までの事を…。

薫子、茉祐子を優しく見て、
「そっか~~。茉祐子ちゃん、霧島さんに、お台場に行った時に…。」

茉祐子、
「うん。」
そこまで話して…。すると今度は、茉祐子、少し瞼を熱く…。
「…けど…、ね。けど…。」

薫子、それ以上に優しい顔で茉祐子に、
「うん…???」

茉祐子、堪えきれずに、涙が頬を…。唇を絞って…。そして、
「ふぅ~~。」
そして鼻水を啜って…。
「私じゃ…、ダメなんだよ、霧島さん。」

薫子、
「……。」






薫子と茉祐子~その愛~   vol.234.   薫子、「とにかく…、早く帰って、シャワー。」

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