小説★あっちの水は苦いぞ 2 | みみぴちがってみみぴいい

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こちらの 続きです    あっちの水は苦いぞ 1





同窓会は 決まって 7月の第一土曜日。


私は 金曜日に有給を取って 準備をするのまで 恒例にしている。


誰かのオアシスを演出するのは けっこう 骨が折れるんだが 嫌いではないらしい。





大掃除をし お風呂のセットを用意したり タオルを干したり


いつの間にか置きざられているみんなのパジャマを 引き出しから引っ張り出す。


花を飾り 布団を干して 大皿や コップを並べる。


今年は 白と黄色のカラーをアレンジした。


だんだん 私たちに似合う花も 変わってくるな と思ってみたりしながら。







同窓会ですることは 決まっている。 喋り倒すのだ。


バツイチになって 料理研究家として育児付職業婦人になった 麗子の


素晴らしい料理に ケチをつけながら食べ 別れた夫の噂話をして 新しい男の品定め。





飲食店のやり手社長と結婚した ヒカリの 自慢話と 近所の悪口と


老後の不安と 夫の悪口を アホくさーーと笑い飛ばし





公務員と結婚し 両親同居の美鈴が みんなの話で泣いたり 笑ったりしては


私だったらーーーと 想像してるのを コケおろし





みんなが独身の私を羨ましい と言いながらも それぞれ 自分の人生に向かって


真正面を向きなおして 『しょがない。明日からもがんばるかーーー!!!』 と


身体の筋を伸ばすための ストレッチ体操の時間なのだ。 







誰もが 40も近くなると 気付き始めることがある。


よそんちの生活は 羨ましい。 あっちの田んぼばかりが 妙に陽が当たる気がする。


そっちの畑は うちより土がいい気がするのだ。



だけど だけど うちの畑だって なかなかどうして 上手く行ってる方でないか?


うちの田んぼも 青々としてるんじゃないか? と 。。。。。





どこで暮らすにしたって 誰と暮らすにしたって 誰もが ものすごう 踏ん張ってるんだ。


さて 私も踏ん張りにかかりますか と思い直せたら 幸せなのだということに。



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明日は 同窓会です


さて 『恒例どおり』に 行くのでしょうか??