小説★乙女の恋 1 | みみぴちがってみみぴいい

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★こちらの  続編です





美紀が 『劇団 カマッテ』 に入団してから 3ヶ月が過ぎていた。



毎週 月曜 水曜 金曜は 仕事が終わると 劇団の事務所兼 稽古場に立ち寄る。



誰も来ない日もあれが 全員がそろう日もあった。



誰もいない日には 埃と呼ぶには 塊が大きすぎる ゴミを掃き出したり


空気を入れ替えたりしてから そっと ミニーに習ったメイクを施した。


ミニーが いつでも使っていいと 部屋に置いていってくれた大きな箱には


使い方の解らない たくさんの化粧品が 埋まっていたが 


母親の三面鏡を覗く 少女のように ドキドキしながら 重い蓋を開けた。






中学から短大まで 一貫教育の女子高で育った美紀は 温室の中で


元来の人見知りにばかり 磨きをかけてしまった。


同級生たちが 恋愛や ファッション に興味を示している情熱に 圧倒されて続け


どこから いや いつから参戦したらいいのか 様子を窺っているうちに


この年になってしまった と思う。


恋愛やお洒落に 興味がない と言いはばかれるほど みなぎる自信はない。


興味があるから 教えてと 輪に入れるような 心の軽さも もてずにいた。


出来上がった輪に 近づこうとすると 一瞬 全員の視線がこちらに向かう。


その熱を帯びた視線が 美紀には毒針が入った吹き矢のようで 恐ろしかったのだった。

資格がない とレッテルを貼られ 好戦的な言葉を 射られそうで 怖かったのだ。





劇団に入ってから 男性ばかりの団員たちは 誰もが お洒落やブランドに詳しかった。


そして 自分の好みを明確に持ち 物への愛着と自尊心を持っていた。


自分のスタイル というものがあるのだ。


そして 誰かのスタイルに対して 強烈なる支持をしてるのに辛辣な言葉で 感想を述べる。


その言葉の応酬は 弁護士事務所でのものより もっと過激で


ずっと愛情に溢れた 微笑ましいやりとりだった。


いや 美紀が居心地の良さを感じるのは 美紀が無視されていない という安心感だった。

センスがなくても 自分の好みを尖らせてなくても お金をかけていなくても


会話の途中で 『美紀が持ったほうが似合うわよ。 あげなさいよ あんた。』


『美紀 黙ってないで この脛毛じじぃの素敵なスカーフ 奪っちゃいなさい』


と 矛先を向けてくれるのだ。


父と兄以外の異性に 会話の権利を譲られたことのない美紀にしたら 


この場所は 家族以上に美紀の存在を 認めてくれる特別な場であった。




『あら 来てたの?』


『こんばんわ』 振り返ると そこには スナックを経営しているレイラが立っていた。


『お店行く前に 通りかかったら 電気が点いてたからさ。 あんた 皆勤賞だねーー』



暇だから と答えようとしたが そうじゃない。 残業から逃げ出してでも 来てるのだと


思い出し 黙りこんだ。


『美紀が入ってから 部屋が綺麗になったわよ。 オカマって むさくるしいから あははは』


レイラは 途中になっていた美紀のメイクを 続けてごらん と言ってから


『綺麗になったら店に出ない? ノンケな客も来るしさ。

 あんたの その極端な人見知り克服には オカマがいいわよ』と 手を叩きながら言い出した。


元高校教師だったレイラは 目の前の人間をステップアップさせることが生き甲斐なのだ。



美紀の返事を待たずに レイラはすっかりその気になり 店に電話を入れていた。





おーーーしーーーーーてーーーーо(ж>▽<)y ☆

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よくは知らない おかまの世界を 想像で書き始めちゃったよ!! をいっ 笑


前の話で 美紀を28歳の処女に設定してたけど どう考えても それって 無理があるので


今回から 24歳処女の設定に 変えて書いてます・・・


彼女の初体験を 描いてみる予定で。  


ブログネタに あわせてるつもりなんだけど わかる??笑