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『何時になりそう?』
公園のベンチに座りながら 携帯を握りしめ 沙希は待ち人にメールした。
時は 午後2時。約束の時間を とうに1時間過ぎている。
なにかあったのかしら。 家族は確か 奥さんの実家に帰ってるって話だったのに。
日曜の午後。お天気もまあまあ。子連れの家族が何組も楽しそうに過ごしている。
レジャーシートを敷き お弁当を広げている家族。
フリスビーを意気揚々と子供に教えている父親。
子供と砂場で笑っている母親。
ブランコを押してーとせがむ子供。
どの家族も ニセモノのくせに。 腹の中では 疎ましく思いあってるくせに。
沙希は 鳴りもしない携帯が憎らしくなり 連絡をよこさない剛に腹が立った。
沙希は 立ち上がると 公園を後にした。
携帯の電池を外し かばんに放り投げててから ビルの隙間を歩き回った。
日曜のオフィス街は静かだ。
まるで ワタシの心みたいだ。 虚しい。
一人のホームレスが 裏道でタバコを吸っていた。
『しけてやがんな。1本しか入ってねーや』 拾いタバコらしく 文句を言っていた。
『メンソールでよければ あげようか』 生まれて初めて ホームレスと話をした。
子供の頃から 近寄ってはいけない国の住民だと 母に教わってきた。
親に教わった 全てを 自分の中から 搾り出したかった。
『どうせなら セブンスターにしてくれよ』 よくよく見ると まだ20代のような肌をしていた。
『何歳?』
『125歳』
『なら わかばとか吸えば』
『口の減らないオンナって 好きだぜ』
沙希は 環状線沿いのコンビニまで歩いて 缶コーヒーとタバコを買いに行った。
『景気がいいオンナも好きだ』
『何が楽しくて こんな生活してんの?』
『お前は 何が楽しくて ここにいるの?』
言葉に詰まったには 久しぶりだった。
『退屈しのぎ』
『俺もだよ。』
『何が忙しいの?』
『人間の幸せについて 考えること かな。』
『答えは? みつかった?』
『ああ。みつかった。答えは 甘い束縛だ。』
束縛。。。 私がもっとも逃げたがってる 束縛??
『甘く束縛すること。されること。社会からも運命からも愛からもな。』
『間違ってるわ。 また 一から考えたほうがよさそうね』
苦手な展開になると 逃げるのが 沙希の常だった。
『束縛から開放されると 孤独だぞ。死ぬぞ。』
『わかってるわよ!!!』
沙希は 走ってその場から立ち去った。
気づくと さっきの公園の入り口に立っていた。
夕方間近の公園からは 人もいなくなり ぞっとするほど広く感じた。
虚構の家族たちだって 同じ場所に帰り 暮らしを続けるのだ。
誰もが 誰かに求められ 求めながら 24時間を過ごすのだ。
沙希は 自分の心が 地球のしみにもならない存在であるような気分に包まれ
ベンチに座り込んで 考え始めた。
甘いソクバク。。。
考えても 考えても なんのことか わからなかった。
沙希は 冷え切った缶コーヒーを飲みながら かんがえつづけた。
いつまでも いつまでも・・・・・・
温泉旅行に行く前に 書き散らかしたのを
まとめましたが なに書きたかったんだか 脳みそぼん!!!!!