さて…と
旦那さんに
どう話を切り出すか
考えた末
正攻法でいくことに。
ミミ 「あの~、話があるんやけど」
旦那 「ん?」
ミミ 「えーとこあってん」
旦那 「何が?」
ミミ 「マンション」
旦那 「まんしょん?」
ミミ 「そう、マンション」
旦那 「まんしょんってマンションか?」
ミミ 「そう、私たちの終の住処になるところよ!」
旦那 「???」
ミミ 「最後にもう一度だけ引っ越ししよう!」
旦那 「お前、気は確かか!」
ミミ 「私ね、あんたの引っ越し人生に黙ってついて来た。
だからね、最後に一度だけ私に決めさせて!」
旦那 「……」
ミミ 「だからね、明日は黙ってそのマンションについてきてね!」
旦那 「わかった」
…中略…
翌日
旦那さんと内覧に行く
マンションまで来ると
旦那さんは
あたりを見廻して
「建て込んでるなぁ」
ミミ、すかさず
「都心やからね」 「めっちゃ便利」
旦那さんは
部屋を内覧しながら
「壁も天井も黄ばんでるなぁ」
「床も傷んでるトコロがあるし」
ミミ、すかさず
「壁、天井は張り替えたらええやん」
「床は、そこちょっとだけやん。なんぼもかからへん」
ミミ、すかさず
「ここ、3LDKでリビング広いし、ベランダも今より広い」
旦那さん「景色無いなぁ」
ミミ、すかさず
「都心やからね。充分、許容の範囲やわ」
旦那さん 「」
旦那さんの
表情は明らかに
不機嫌を増していた。
… 続く