特捜・短編小説【Storm of the kiss】#4(天王寺) | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。





#1  #2  #3






設定無視、

キャラ崩壊あり。


それでもよろしければどうぞ。

















既に人気の少ない時間帯。

二人並んで夜道を歩いていく。



「じゃあ今は合気道はしてないんやな」


「はい、中々時間も取れないですしね。たまに身体は動かしたくなりますけど」


「通い始めたら俺らかて敵わんなぁ」


「そんなことないですよ!刑事の皆さんだってトレーニングされてるでしょ?」


「まぁ、忙しいからたまにやな」


「やっぱりお忙しいんですね、刑事さんて。
…あ、すみません。このマンションなんで。送っていただいてありがとうございました」

頭を下げて、顔を上げれば何だか不服そうな天王寺さんの顔があった。



「部屋の前まで送るわ」


「ぃや、そこまでは」


「今は物騒やから」


「ぃや、本当に…」

首を横に振る私の言葉に一つ息を吐いた天王寺さん。



「そっか…。じゃあ、気ぃつけて。今日はホンマにありがとうな」


「こちらこそありがとうございました。皆さんと一緒に奢っていただいてすみません」

向けられた笑顔に自然と私も笑顔になって応えれば、少し視線を逸らす天王寺さん。


「そんなん、ええって。ってお金出してくれたのボスやしな」


「ふふ。宜しくお伝え下さい。…じゃあ、おやすみなさい」

軽く頭を下げて、天王寺さんを見上げれば片手で頭を掻きだした。



「あー…」


「…どうかしましたか?」


「もし、良かったらなんやけど、…また飲みに行かへん?」


「へ?」

天王寺さんの少し顔を赤らめながらも真剣な眼差しに咄嗟に言葉が出てこない。

私の反応を見てか、天王寺さんが慌てたように言葉を紡ぎだす。


「ぃや!二人っきりが嫌とかやったら夏目も呼べばいいし!
その…なんや…今日はめっちゃ楽しかってん。
仲間内で飲むのも楽しいんやけど、その…自分がいてくれて」


「天王寺さん」


「…うん?」


「私、自分って名前じゃありません」


「あ…、ああ」


「ちゃんとゆうって名前があるんで名前で呼んでください」


「じゃあ、…ゆう」


「…いきなり呼び捨てですか?」


「あ、ごめん」

見詰め合えばどちらともなく、笑いを堪えきれず噴きだしてしまう。



「もういいですよ。今日会ったばかりですけど、天王寺さんに苗字で呼ばれるの何だか違和感ありますしね」


「そ…か。そうやな!俺も違和感ある!じゃあ、ゆう。連絡先教えて欲しい」

ニカっという表情で私を見ながら携帯を取り出す天王寺さん。

私もつられるように笑顔で応えて、携帯を取り出した。





「じゃあ、またいつとは約束出来へんけど、連絡するから」


「了解です」


「じゃあ、おやすみ」


「本当に送ってくれてありがとうございました!おやすみなさい」

エントランスを入って、入口から見えなくなる場所の手前で振り返れば、まだ別れた場所にいた天王寺さん。

私が軽く会釈すれば、ヒラヒラと手を振って、あの笑顔を見せてくれた。



『何だかあの笑顔は胸を温かくさせるなぁ』なんて思いながら零れる笑み。


『優しい人なんだ』なんて思いながら、手を振り応え、歩みを進めた。







6/1 PM23:50

From:天王寺さん
件名:起こしたらごめん。
本文:今日はいきなり飲みに誘ってごめんな。でもゆうと呑めて楽しかったわ。また絶対連絡する。




6/1 PM23:54

To:天王寺さん
件名:起きてましたよ。
本文:こちらこそこんな流れになるとは思いませんでしたけど、楽しかったです。
お仕事気をつけてくださいね。連絡待ってます。おやすみなさい。




6/2 AM00:03

From:天王寺さん
件名:Re:起きてましたよ。
本文:ありがとう。おやすみ。








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メルのやりとり。



天王寺さんの葛藤が返信までの9分にあります( ´艸`)




今回、お話を1話5kの量にしているのですが、

短すぎますかね?

どうなんでしょう?


ご意見寄せていただけると嬉しいです。






みふゆ