特捜・短編小説【Storm of the kiss】#3(天王寺) | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。







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#2はこちら → 




浅野さんの彼女=華さんとなってます。



今回は登場人物が多すぎるので、会話劇となってますね。。。(;´▽`A``






設定無視、

キャラ崩壊あり。


それでもよろしければどうぞ。
















「ゆう、お待たせ~」


「ん、大丈…夫」

華の声に振り向いた私は椅子からずり落ちそうになった。


何、このイケメンばっか。


華はこんなイケメンたちと毎日仕事してるわけ??

ぃや、仕事が大変なのは十二分にわかってても、羨ましすぎるんですけど…。



「初めまして。夏目さんと同じ課の京橋と申します。
夏目さんのご友人。。。こんなに綺麗な方とは思いませんでしたね。」


「初めまして。同じく花井です。
初対面なのに大勢で押しかけてしまった上に、騒がしくて申し訳ない。
特にこいつがワーキャー騒ぐんでね」


「おい、一沙。誰がワーキャー言うててん」


「テンション上がり過ぎ」


「修介」


「まぁまぁ。初めまして。夏目の上司の桐沢です。
今日は犯人逮捕にご協力いただきありがとうございました。怪我などはないですか?」


「はい、ありがとうございます」


「ならよかった。夏目、俺達は今日は奥で飲むから二人で…」


「ボス!何を言うてるんですか!今日は大学時代の夏目の武勇伝なり、伝説なり、怪談なり聞かないと」


「ちょ、天王寺さん!怪談て何ですか、怪談て!失礼ですよ」


「ああ、それなら沢山知ってますよ」


「ゆう!」


「俺も聞きたい」


「僕も!」


「じゃあやっぱり皆で飲むんで正解やな!」


賑やかに始まった飲み会はお酒も料理も進みながら、
笑いも絶えることなく、楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。


刑事さんてもっと堅苦しいイメージがあったけど、張りつめてる職場だからこそ、
こういう息抜きの場が必要なのかもしれないなと思う。


そんな中で頑張ってる華が凄く誇らしげに思えた。







「もうそろそろ終電の時間になってくるな」


「じゃあお開きですね」

そんな言葉を合図に楽しい飲み会も終わって、皆さんと一緒に私まで桐沢さんに奢ってもらってしまった。


皆で駅に向かって歩く中、桐沢さんに改めてお礼を言えば、にこやかに応えてくれた。


『こんな素敵な上司いいなぁ』と思いながら、華の隣に駆け寄る。





「華、また会える?」


「勿論!あー。…でもいつかはわかんない。
一応休日もあるんだけど…飛び込んでくる事件もあるだろうし」


「そっか。そうだよね」


「時間見つけたらこっちから電話する!ゆうがムリなら断ってくれても大丈夫だから」


「わかった!身体、大事にね」


「ん、ありがと」


「華、毎日お仕事大変だろうけど、こんな素敵な人たちと一緒に仕事出来てるなんて羨ましいな。
浅野さん、華をお願いしますね」


「ん」

慌てる華を余所に、隣を歩いていた浅野さんに視線を送れば、
目を細めて口元にほんのりと笑みを浮かべながら小さく頷いてくれた。


口数は少ない感じだけど、華に対する雰囲気がとても温かくて、きっといい彼氏さんだと思う。



駅に着き、皆、挨拶を交わしながらそれぞれ乗る線へと分かれていく。




「あれ?天王寺さんも●●線とか?」


「え?じゃあ自分も一緒か。どこの駅?」


「薄桜です」


「お!隣やん。俺、壬生」

駅に滑り込んできた電車に乗り込み、天王寺さんと他愛のない話をしていく。



「今日はなんや、こんな流れになったけど、久々に楽しい酒も呑めたし良かったわ」


「はい、私も楽しかったです。あ、着きますね。じゃあこれで。お仕事頑張ってくださいね」


「おう!ありがとな」

笑顔を向ければ、ニカっとした笑顔で応えてくれる。


電車を降りて、もう一度顔を見ようと振り返れば、ストンと降りてくる天王寺さん。




ベルは鳴り終わり、ドアが閉まる。


動く電車が巻き上げる空気が二人を包む。





「え…と」


「女1人で夜道は危険やからな」

目を丸くする私に向けられた真剣な眼差しに胸が高鳴る。


「…今の終電でしたよ?」


「一駅くらい歩けばええ。行こか」


「は、はい」

横をすり抜けて、改札に向かって歩き始めた天王寺さんの背中を、私は慌てて追いかけた。