第1話はこちら → ★
設定無視!
キャラ崩壊。
わからない方はすみません;
それでも宜しければ、どうぞ。
2日後。
「ここにいたんだ」
「アレルヤ」
私はアレルヤの乗るガンダム、キュリオスのメンテナンスをしていた。
「部屋にいないから心配した。もう身体は平気なの?」
「お陰様で。ありがとね」
すーっと空間を移動してくるアレルヤに笑顔を向ける。
「整備は終わってたんじゃないの?」
「うん、終わってはいるんだけどね。ほら、私も刹那には負けるけどガンダム好きだから。
傍にいれる時はいたいっていうか」
そっと、キュリオスに触れる。
「そっか」
仕方ないなというようにアレルヤはクスリと笑った。
しばらく作業する私を見ているアレルヤ。
ソレスタルビーイングが表立つ前までにはこういう時間がよくあったななんて
少し懐かしく思いながら作業続けていた。
互いの想いを理解した頃。
作業の終わらない(終わらせない)私をずっと見ていたアレルヤ。
『ねぇ、どこか行っていいんだよ?』
『見てても暇じゃない?』
そんな私の言葉を笑って
『好きな人を見てるのって、そうそう飽きないもんだよ?』
クスリと笑った彼の言葉に私は身体中の熱が沸騰しそうになった。
…思い出して、思わず口元が緩んでしまった。
不意にアレルヤが背後から声をかけてくる。
「…そういえば、コックピットの中で気になるところがあったんだ」
「へ?ホント?どこ?早く対処しなきゃ!教えて!!」
そして私はアレルヤと一緒にコックピットの中に入った。
「アレルヤ、どこが違和感あるの?」
「…じゃあシートに座ってくれる?」
「…こう?」
座ったとたんにコックピットが閉められる。
「…アレルヤ?」
「くっくっく…。
お前もガンダム馬鹿って言うか、どうしようもねぇ女だなぁ」
顔を窺えば、見下ろしていたのはとても冷たく光る金色の瞳。
「…ハレルヤ…?」
「アレルヤも回りくどいことしやがって。
こんなチンケな女抱きたいなら何処でもいいだろう?
ま、女。せいぜい楽しませてくれよな」
「…やっ!ハレルヤ!こんなとこでっ!!」
そのまま握りつぶされそうな力で私の両手首を押さえつけて、
近づいてきた顔を見れば楽しそうにつりあがっている口角。
「それ本気で嫌がってんのかぁ?
お前も分かってて付いてきたんじゃねぇのかよ?!
今日はアイツより先に抱いてやるよ。
こんな狭けりゃ、逃げ場はねぇぜ?」
「…やめっ!…っ!…やぁあっ!!!」
噛み付くように貪られるキス。
ハレルヤはアレルヤの中に生きる存在で、
こうしてたまに出てきてはとても乱暴に私を抱く。
性の捌け口と言わんばかりに。
冷たすぎる言葉と乱暴さに嫌気が差す時もあるけれど、
それでも私は彼も愛していた。
でもハレルヤからは甘い言葉や愛の囁きは聞いたことがない。
替わりに紡がれる言葉は罵声や諦めろだの、離れろだのそういう言葉だった。
ハレルヤの気が済むまで抱かれた私は
狭いコックピットの中で、肩を揺らしながら荒く酸素を求めていた。
ハレルヤがシートにもたれて、私を後ろから腕の中に閉じ込める。
そして囁くように私の耳に冷たい言葉を零す。
「…なぁ、女。
いい加減、俺らから離れとけよ。
…俺もアレルヤもお前のことはこれっぽっちも愛してないんだぜ?」
「…ハレルヤは優しいね」
彼の真意は多分わかる。
わかるから、体重を胸元に預けた。
「は!真性の馬鹿だな!
…喚くな!うるせぇよ、アレルヤ。
…ったく、お前ら馬鹿に効く薬はねぇみたいだな。
じゃあな、また気が向いたら抱いてやるよ、女。
せいぜいアレルヤに慰めてもらえな」
少しの間。
私の呼吸が落ち着いてきた頃、そっと優しく、でも離さないと言わんばかりに抱きしめられる。
「…ごめん、ごめん。○○」
私の首元に顔を埋めるアレルヤ。
「…気にしないで。いつものことでしょ?」
「…僕は君を…」
舞い降りた言葉に顔を向ければ、そこには灰色がかった優しい瞳がまた憂いを写していた。
「今日もハレルヤを止められなかった」
「大丈夫だよ?」
アレルヤは噛み付かれた場所や血が滲む痣に、
優しく舐めたり、キスを落としていく。
「くすぐったいよ、アレルヤ」
「…。僕は最低だよ」
「…アレルヤ?」
「君が乱暴に抱かれるのは心底嫌なのに、嫌なはずなのに。
君が…綺麗で。
僕は…嫉妬してしまう。
早くこの手で抱きたいって思うんだ」
眉根を寄せて、言葉を零す彼。
そっと手を伸ばして、髪を撫でるとすっと瞼が伏せられた。
「…愛してくれてるってこと?」
私が問えば灰色がかった瞳に私が映る。
オッドアイ。
その目に見つめられれば、私の感情は昂ぶりを抑えることは出来ない。
「僕は君を愛してるよ」
「嬉しい」
私はその言葉に微笑んで彼にキスを捧げた。
私を映してくれているこの瞳は私の想いを全てわかってくれているだろうか。
少し自分の感情に不器用な貴方が心底愛おしい。
「○○、ごめん。
部屋まで我慢出来そうにないんだ。
ここで…抱いてもいいかい?」
「…いいよ」
先程とは打って変わった、泣きたくなるような優しい愛撫を受ける。
アレルヤの気持ちは本当で。
でもハレルヤが言ってる事も本当なんだろうと心のどこかで思う私がいる。
多分、アレルヤは気付いてない、ハレルヤだけが気付いてる誰かがいるんじゃないか。
ハレルヤは元々の凶暴性もあるのだろうけど、
私を突き放すために乱暴に抱いている
そんな気もする。
そんなことをどこか頭の片隅で考えながら、アレルヤから注がれる想いを受け止めた。
数日後、地上でミッションに入るとのことでキュリオスは出艦体制に入っていた。
「○○」
出艦前にはいつも会いに来てくれるアレルヤ。
この時はいつも使命感と憂いとの葛藤が彼の表情にも表れていて。
それが分かる分、私は笑顔で彼を見送る。
「キュリオスはOKよ。思う存分戦っ…!」
引き寄せられ塞がれた唇は直ぐに熱い舌の進入を許し、そのまま舌を絡め取られる。
そして直ぐに離される唇。
「…行ってらっしゃい!」
「行ってきます」
私は大げさなくらいの笑顔で彼を見送る。
名残惜しそうなその瞳は細められ、コックピットへと姿を消していく。
いつ死ぬか分からない。
そんな私たち。
私に何かあったとき、
彼が私を思いだしてくれるなら、笑顔の私であってほしいから。
彼は先の見えない戦いへと旅立つ。
祈らずにはいられない私を神は嘲笑うのだろうか。
いや、この世界に神などいるのだろうか。
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