小説設定はこちらをご覧下さい→★
第1話はこちら→★
いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。
かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。
その日の巡察は一番組と十番組だった。
持ち回りの順路を終え、隊は合流した。
「一雨来そうだな」
空を見上げて呟く。
「そうだね…。そういえば左之さんて島原で贔屓の娘でも出来た?」
横目で原田を見る。
「あ?まぁ…別に贔屓ってわけでもないんだけど…な」
「へぇ…でも昨日も一人でも行ってたよね?」
顔を覗き込んで口元に三日月を作る。
「…」
沖田の心中を探る原田。
「そういえばこの前皆で島原に行った日、久々に綺月ちゃんに会ったんだよね~」
空を見上げて自身の細い顎を持つ。
「そりゃあ、あそこにいるんだから会う…」
「凄くそそるよね、あの娘」
原田の言葉を遮るように横目で原田を見て口角を上げた。
「…」
原田は眉根に軽く皺を寄せる。
「さてと、土方さんに報告に行かなきゃね」
クスクスと笑いながら屯所内に入っていった。
「土方さん、入りますよ?」
「あぁ、入れ」
部屋から応える。
筆を置き、身体を沖田、原田に向ける。
沖田、原田は土方の前に腰を下ろす。
「ご苦労だったな。何か不審な動きはなかったか」
土方の問いに原田が応える。
「俺の方は2、3人で絡んできた連中がいたくらいだ。すぐ尾っぽ巻いて逃げちまったが」
「そんなの斬っちゃえばいいのに。僕の方は特に何にも」
「そうか。じゃあ少し部屋で休んでこい」
軽く溜め息を吐いて、二人を促す。
「土方さん」
沖田が口を開く。
「何だ」
「島原で贔屓の娘が出来てずっと定期的に通ってるって本当です?」
「…それがどうした」
目を伏せて応える。
「へぇ、ホントなんだ」
眉を上げて口角を上げる。
「てめぇには関係ねぇだろ」
溜め息を混じりに言葉を吐いた。
「そういえばこの前、島原で皆と呑んだ時に綺月ちゃんに会いましたよ」
目を細めて土方に笑いかける。
「…何が言いたい」
目を開いて、沖田を見据える。
「あの娘、良い声で啼きますよね」
ほくそ笑む沖田。
部屋の空気が張り詰める。
「…土方さんや左之さんがハマるわけだ」
「…!」
土方は目を見開く。
「あれ?何で驚いてるんです?綺月ちゃんは遊女でしょ?
誰に抱かれても可笑しくはないですよね?」
クスクスと笑う。
「…総司、てめぇ」
低く唸るような声をあげる土方。
「自分だけのものにしたかったら早く身請けしなきゃって忠告してあげてるんですよ」
ニヤリと笑う。
「…」
原田は黙ったまま土方を見ていた。
「さぁ、報告も終わったし部屋に戻ろうかな」
立ち上がり、鼻歌でも歌い出しそうな表情で出ていった。
「…」
原田も立ち上がり、部屋を出ていこうとする。
「…原田」
土方が原田を見据える。
「…悪ぃな、土方さん。総司は知らねーが、俺はあいつに…綺月に惚れてんだ」
眉間に軽く皺を寄せ、吐露した原田。
土方と綺月が互いに愛し合ってるのを知っていても嵌まってしまった。
鈍い痛みに胸が疼く。
土方の視線から逃れるように部屋を出た。
土方は畳に拳を突き下ろした。
「…くそったれ」
唸るように言葉を吐いた。
自身の刀を持ち道場へと向かう。
稽古も終わり、シンと静まり返った道場。
抜刀をした土方は何かを振り払うように刀を振り下ろし、斬りかかる。
その音と土方の踏み込む足音だけが道場に響く。
綺月は遊女である。
遊女は男に抱かれることが生業。
土方もそれは重々承知している。
わかっていても常日頃から嫉妬心は持ち合わせてはいる。
綺月を抱いたり、互いの気持ちを確かめることでその感情は抑えてきた。
綺月は一番抱かれて欲しくない身近な人間に身体を赦していた。
…沖田と原田。
事実を知った途端に綺月に気持ちを蔑ろにされ、踏み躙られた気分に襲われた。
様々な気持ちを払拭するために刀を振り、抗っているのに
心身ともに黒い何かに蝕まれていくようだった。
次第に玉のような汗が飛び散る。
その矛先は次第に綺月へと向けられていく。
道場の外の壁にもたれる沖田。
「荒い剣だなぁ。…僕は事実を教えてあげただけなのに」
飄々とした顔で濃く渦巻く曇空を見上げて呟く。
降り始めた雨が屯所を包む。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
おや。
久しぶりにエリョがなかったね←そこ
総司さんと私がタッグを組むとこうなりますwww
みふゆ