昨日、モンスターハンター大辞典Wikiのモンハン用語/地雷装備の項目において、気になる記述をみつけました（閲覧日：2017-11-29）。
にわかスイカバー
- 主にG2終了～HR解放後まで見かける装備で、
スイカバーことラオシャンロンの大剣、ドラゴンキラーを担いだにわか大剣使いを指す。
ドラゴンキラーは低攻撃力+高属性値の大剣向きでない性能なので、
よく使うハンターはにわか大剣使いである傾向があり、狩りに貢献できていない場合が多い。
- ラオシャンロンがパーティなら倒しやすい上に緊急部屋も多く(=素材が入手しやすい)、
レア度10である事も後押しして、あまり考えずにこの武器を装備してくるハンターが度々いた。
一発生産が可能な為、にわか大剣使いの目に止まりやすかったのだろう。
- この武器が作成出来る段階まで来ていれば、より高攻撃力の大剣を作成出来るので、
このタイミングでドラゴンキラーを担いでいる時点で戦力として厳しい物がある。- 更に龍属性が弱点のモンスターはG3では少なく、
その上、G4に昇格するための緊急クエストの相手がよりにもよって
龍属性が効かないバルファルクであり、
全く龍が効かない相手に低攻撃力高属性値大剣で挑むというプレイヤーが多く存在した。
- バルファルクは龍耐性が高い特殊な古龍というのもあるが、
それを抜きにしても属性偏重の武器と大剣のシステムは相性が良くなく、
この辺りが理解できていないのは問題である。
更にG4緊急のラスボスも龍属性が効かないモンスターである。
G3解放直後ならともかく、ラスボスにまで担いで来てしまったら、確実に地雷扱いは免れないだろう。- そして、パーティでは時と場合を選ばないと迷惑な地衝斬が狩技として設定されている事も多く、
所構わず狩技を発動して味方を吹き飛ばしてしまうのも問題となっている。
そもそも、このような理解は一般的なのでしょうか。読んで違和感を覚え、「にわかスイカバー モンハン」「ドラゴンキラー 地雷 モンハン」などで検索をしましたが、ほとんどHITしません。
※差分を確認する限り、2017-8-19の第151版において挿入され始めた記述のようです。ちなみに、ドラゴンキラーの記事では、2017-7-27の編集において「G2でレア10という性能がゆうた達の目を引いてしまい、新たな地雷としてフル暁丸+ドラゴンキラーが見つかっている。龍属性辺重という性能であるのに、G3緊急のバルファルクや、龍が効かないラスボスに担いでいく者が度々見られており、迷惑となってしまっている。」という記述が挿入されています。
そして、MHXXにおける地雷装備に関する記述全体に照らしても、この箇所だけ浮いているような印象を受けます。他の地雷装備は、アトラル・カ武器や装備の不適切な運用や、モラクディアーカの不適切な運用に関する記述で、要するにHR解放後を念頭に置いています。しかし、この箇所は、冒頭でも明示しているように、HR未解放段階においてドラゴンキラーを担ぐ行為が地雷であると批判しています。「HR解放してるのにその武器・スキル構成はないよね」という批判は理解できますが、HR未解放段階であるにもかかわらず批判するのは、過度な要求であるように思います。しかも、乙に直結するとか、周囲を吹き飛ばして迷惑をかけるとかならともかく、そうではありません。
要するに、仮に「HR未解放段階でドラゴンキラーを担ぐ行為が地雷である」といえるとしても、他の例に比して地雷度が低すぎるので、この記述だけ浮いているような印象を受け、現にそのような主張をしている人はほとんど見当たりません。
さらに、本稿として検討したいのは、そもそも「HR未解放段階でドラゴンキラーを担ぐ行為が地雷である」といえるのか、という点です。大辞典Wikiの記載に感化され、キークエ部屋でドラゴンキラーを担いでいる人が地雷であるとして批判されたりキックされる事態が起こりえますが、果たしてそのような事態が望ましいのでしょうか。そのような事態が生じても構わないといえないのであれば、「HR未解放段階でドラゴンキラーを担ぐ行為が地雷である」と評価してはいけないと思います。
そこで、「HR未解放段階でドラゴンキラーを担ぐ行為が地雷である」といえるか否かを、以下では検討します。
まず、ドラゴンキラーの性能を確認しておくと、
攻撃：250（260→270）
防御：+30
属性：龍80（龍83→龍86）
スロ：1
斬れ味：白10（白20→白30）
です。カッコ内の数値は、ドラゴンキラーを強化した際の数値です。HR未解放段階ではおそらく極限強化できませんが、Lv.2（ドラゴンマサクゥル）まで強化する人は少なくないかもしれません。
大剣は、全武器種の中で最も手数が少なく、基本的に抜刀攻撃→納刀を繰り返す武器ですから、攻撃力が最も重要な数値です。そして、属性値の恩恵が最も少ないので、属性は「ないよりはマシ」程度であり、ほぼ完全に無視されます。
ゆえに、この武器は大剣としてどうかといえば、完全にミスマッチな武器と評さざるをえません。
ただ、ここでの問題は、「HR未解放段階でドラゴンキラーを担ぐ行為が地雷である」といえるか否かです。
ここで注目すべくは、ドラゴンキラーの作成難易度の低さです。一発生産の武器ですから、ラオシャンロンを1回か2回くらい倒せば、すぐに作成できます。G3に進む段階で、攻撃力250（or 260）、斬れ味が素で白の武器が手に入るわけですから、作成難易度の低さに鑑みれば、まずまずのスペックだといってよいと思います。
もちろん、G3の時点で、これよりも優秀な大剣は作れます。その意味で、ドラゴンキラーはHR未解放段階で最適解の武器ということはできません。ただ、ここでの問題は、キークエスト攻略でそこまで効率的な狩猟が求められているのかという点です。モンハンをやる層には色んな層があるわけで、初心者やエンジョイ勢も居るわけです。キークエストの攻略であれば、取り敢えず乙らず、吹き飛ばしたりして周りに迷惑をかけず、ある程度狩猟に貢献していれば十分といえるでしょう。
ドラゴンキラーの上記スペックからすれば、キークエスト攻略に必要な貢献は十分可能です。溜め短縮と抜刀会心くらい発動させて、絶対回避【臨戦】辺りで斬れ味を維持すれば、普通に使い物になります。「戦力として厳しい物がある」〔原文ママ〕という評価が下されていますが、キークエ部屋に潜り込めば分かるように、もっと戦力にならない武器（やスキル構成、PS）の人は大量に居ます。
そもそも論として、同一記事内に、X時代のアークS／フィリアSにつき、
ただ獰猛化素材要らずで手っ取り早く防御力を確保するのに便利なのは確か。
つなぎとして着るハンターも居るし、考えてこの防具に執着しているハンター(特にガンナー)も多いので、
これを着ているからといってすぐに地雷認定はしないように心がけたい。
という記述があります（引用に際し誤字は修正しました）。ドラゴンキラーを地雷と認定する評価は、当該記述と明らかに整合しません。
当該項目の執筆者としては、「大剣は物理特化が基本で、属性武器を担ぐ辺り、大剣のことを何も分かっちゃいない」という趣旨で、ドラゴンキラーを担ぐ行為を理解不足の徴表であると捉え、地雷だと評価したいのかもしれません。
しかし、繰り返し述べているように、HR解放後にそれをやったら地雷という評価はできるかもしれませんが、HR未解放段階で地雷という評価をするのはいかがなものかと思います。そんなこといったら、モンハン初心者はキークエ部屋に入れなくなります。そして現に、他の武器種についても、基本的な知識が欠落していると思しき初心者はたくさん居るのに、なぜことさらに大剣使いだけ敵視するのか、理解できません。
私自身、使い慣れていない武器種の練習のためにキークエ部屋に潜り込むことも多いのですが、ドラゴンキラーを担いでいる地雷ハンターがことさらに多いという印象は、特にありません。そりゃドラゴンキラーを担ぐ地雷ハンターも居たでしょうが、問題視するほど多いという印象はないです。キークエ部屋の地雷率でいえば、太刀や双剣の方がよっぽど高いでしょう。
以上をまとめれば、本稿の結論としては、
- HR未解放段階において、ドラゴンキラーは担ぐ大剣の最適解とは言い難い。
- しかし、生産難易度が非常に低い割には、まずまずのスペックであるから、適切に運用すれば十分に狩猟に貢献できる。
- 仮に属性値の高さに惹かれてドラゴンキラーを担いでいるのであれば、知識不足ではあるが、HR未解放段階において地雷と呼ぶほどの問題性は存在しない。
となります。要するにHR未解放段階に何を求めるのか、という話です。キークエ部屋を効率部屋にしないと気が済まない／さもなければ地雷であると考えるならともかく、取り敢えず10～15分程度でクリアできればよいと考えるならば、取り立てて問題はないと思います。