がんの中に生息している細菌は、がん細胞がより速やかに広がるのを助ける | 森の里草

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一部の細菌は腫瘍の中に入り込んで、その増殖や転移を助け、免疫系ががん細胞を破壊するのを困難にしていることがわかってきています。

 

例えば、

2022年11月に学術誌「ネイチャー」に発表された研究により、口腔がんと大腸がんの中に生息している細菌は、人間の免疫反応を抑制し、がん細胞がより速やかに広がるのを助けることによって、がんの進行を直接促していることが示されています。
Effect of the intratumoral microbiota on spatial and cellular heterogeneity in cancerJorge Luis Galeano Nino

 

最近では、大腸癌の悪性型と関連している一般的な口腔内細菌が、腫瘍の成長を促進している可能性があることが、新しい研究で示されました。

 

 

 

大腸癌の悪性型と関連している一般的な口腔内細菌が、腫瘍の成長を促進している可能性があることが、新しい研究で示された。
この発見は、3月20日付の『Nature』誌に発表された。フレッド・ハッチンソンがんセンターの研究者らは、200人の患者から摘出された腫瘍の約半数の大腸がんにこの細菌(Fusobacterium nucleatum)が移行していることを記録するために、ヒトの便サンプルとマウスを用いて様々なテストを行った。
米国癌協会によれば、大腸癌は米国成人の癌死亡者数で2番目に多い。2024年には53,000人以上の命を奪うと予想されている。
発見の意義
フソバクテリウム・ヌクレアタムが特に注目されるのは、フソバクテリウム・ヌクレアタムが検出された患者の予後と生存率が悪いからである、とフレッド・ハッチがんマイクロバイオーム研究者で共同研究著者であるスーザン・ブルマンはニュースリリースで説明している。