君子欄にかけた防寒袋。
そこに雪が降りている。
花びらの落ちた梅の木。
街灯がそれを照らしている。
3月5日(火)23時を回っている。
東京多摩の自宅の玄関先には春の花。
白い花等の鉢植えが並んでいる。
防寒の袋をかぶった君子欄。
春の光の恵みをあげたい。
日射し緑の長い葉が受け止める。
そのために防寒袋を取った。
それが今日の午後のこと。
気温が下がった。
仕事から帰った二男が雪まじりの雨を告げた。
テレビの天気予報もそんな可能性を報じていた。
玄関先の花に雪がある。
私が外した君子欄の防寒袋。
オクサンがかぶせた。
今年こそは君子欄の花を見たいのだという。
東京の自宅の管理はオクサンのもの。
不順な天候のなかでなすべきこと。
私が思い出して玄関先に出た時には、防寒対応は終わっていた。
長男の結婚式が近い。
出席する私の兄妹等や式の内容が気になっている。
佐世保にいても、東京に戻ってもそれは変わらない。
アッという間に、二日目が終わる。
佐世保から送った段ボールは4個。
それらを開けるだけで、時間が経っていく。
みぞれを見つけて、部屋の暖房をつけた。
電気こたつもそれに加えた。
私が東京で初めての生活を始めた昭和42年。
その4月にも雪を見た。
寮の窓の外のヤツデに雪。
東京は北国か。
そんな夜のことを覚えている。