『茂手木伸夫』 のコラム -13ページ目

8月のコラム

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家庭教師を派遣している、ある中堅の企業の社長さんの話である。

「最近の大学生は約束を守らない。」 

家庭教師派遣業にとは、お客様との決められた日にちと時間に、決められた教師を派遣することでなりわいが成り立つ。

当たり前のことである。

教師の大部分が現役の大学生だ。

その大学生が、約束を守らない。

要するに決められた日時に家庭を訪問しない。

事前連絡もしない。

そして、もっと深刻なのは、約束を守らないことへの罪悪感が無いことだと、その社長は声を大にして私に話してくれた。

注意をすると「なら、辞めます。」と簡単に口にするのも特徴だという。

いわゆる一流といわれる大学の学生に特に顕著だという。

社長は日本の将来は明るくないと真剣な顔をして話を締めくくった。


確かに、今の若者は無責任だとか、無断欠勤を平気でするだとかの話は良く耳にする。

でも、人財育成や研修の仕事をして感じることは別のことだ。

それは、他人の気持ちを分からない、分かろうとしない若者が増えている、ということである。

これは、同じ仕事をしているコンサルタントが集まるといつも話題になる。

コミュニケーションスキルの研修が成り立たない。

相手の言っていることを理解できない。または理解しようとしない。

これでコミュニケーションが成り立つわけが無い。

驚いたことに、相手の気持ちが理解できない同士でも会話が成り立つし、当人は別に意識していないのである。

相手の気持ちを考えないで十分に生きていけるのである。

また、生きてきたのである。困った。これは現代日本社会大きな問題だ。


最近指摘されている例では、「キレやすい若者」が増えているとか、「自分に甘く、他人に厳しい若者」が多いとか、言われている。

もうひとつ特徴的なことは「自尊意識の欠如している若者」が増えていることだ。

私の研修ではいつもポジティブシンキングの重要性について話をする。

ポジティブな考えや前向きな姿勢やチャレンジする気持ちも本人に自尊意識が低ければ成り立たないのだ。

一言で言うと自分に自信がない。

その裏返しで、他人を認めない。

自尊意識とは相対的なことで、自分の低い自尊心を満足させるためには相手を認めなければ良い、とこうなるのである。


ここまで書いてきて、先日放送された中田英寿の引退を取り上げた番組を思い出した。

中田英寿が発言していたことで強く印象に残ったことがある。

「守らなければならないものは、唯一『誇り』である。」と。

すごい言葉だな。

中田の今までの活躍の理由を理解させる言葉だし、早すぎる引退を納得させる言葉だ。すごいと正直思った。


さあ、みんな、誇りを持っているかい?

自分の長所を沢山言えるかい?

ガンガン自分の良いところを言い合おうよ。

正しい自尊心は相対化を必要としない。

他人と比べる必要も無い。

自分のことが好きだから他人のことを理解しようとする。

自尊心の高い人たちの集団を創ろう。

認め合う風土を高めよう。

これこそ、お客様が満足し、感動してくださる源泉だと強く思う。


最後に、中田英寿の言葉で次に印象深かったこと。

「頑張ることは当たり前、当然のこと。最低限のこと。そこから何が出来るか考えることが大事。」


そうなんだね。

プロにとって頑張ることは当たり前なんだね。

私たちもプロ集団だ。頑張ろう!は卒業だね。





7月のコラム

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『ワールドカップ』


日本が負けても我が家ではワールドカップ熱が一向に冷めない。

夫婦そろって応援している国があるから。

ベスト8に進出したポルトガル。

深夜のテレビの前でフィーゴの赤いナンバージャージをまとい応援している。

リスボンのスポーツ品店でなんと1万4千円もした公認のユニホームだ。

隣で妻がクリスチャン・ロナウドに黄色い声ならぬ黄土色の声(若くないので)で、ワーワーキャーキャー言っている。


サッカーというスポーツは組織マネジメントの勉強に良く教材を提供してくれる。

組織と個人との関係。

意思決定の連続と瞬時のコミュニケーション。

モチベーションやリーダーシップ。

サムライ・ジャパンの予選敗退でいろいろ敗因が取りざたされている。

個人の能力の問題や監督の力量不足、特定のメンバーのミスやチームワークに問題があるとか、さまざま取り上げられているが、たぶんみんな正しいのだろう。

ただ、僕が気になるのは「日本のサッカーがワールドカップ3回目でまだまだ世界のレベルでは幼児の段階だ。経験不足だ。」などと発言する人たちがいる。

ちょっと待って。そんなことは分かりきってることじゃないか。

いまさら言うなよ。と僕は思ってしまうのだ。


たとえば、若くして店舗を任されたり、組織を任されたりして、失敗した時に「経験不足」とされたなら、そんなの分かって任したのだろう、と思ってしまう。

経験不足が原因での失敗はどんなベテランでも起こりうることだと思う。

経験不足という言葉では本当の原因を分析せずに終わってしまう気がする。

もっともっと、科学的に分析しなければならないことが多いのではないか。



『うなづき』


この間、ある会社の社員研修で、一番前で大きく「うなづき」ながら僕の話を聞いていた研修生がいた。

良く理解しているのだなと彼の「うなづく」姿勢を見てうれしく感じた。

しかし、質問をしてみるとまったく分かっていない。

どうやら「うなづく」のがある種の癖のようで、理解したり同感したりの「うなづき」ではないようだ。


そういえば第2次漫才ブームという時代があった。

ツービートやさんまなどがテレビの「俺たちヒョウキン族」で活躍していたころだ。

その番組で「うなづき」トリオなるものが結成され、「うなづき」マーチなる歌も出た。

ビートきよしと島田洋八、松本竜介の3人だったと記憶している。

それぞれ個性の強すぎる相方(ビートたけし、島田洋七、島田伸介)に対して、「うなづき」ながら漫才を進めるので「うなづき」トリオなる名前をつけられたのだろう。

確かに一方的なおしゃべりに「うなづき」が入るとますますおしゃべりに熱が入る。

「うなづき」はしゃべる相手を気持ちよくさせてくれる。

そういえばコーチングの研修でも取り上げたことがあった。

アクティブ・リスニングの研修。


でも、ちょっと待って。

「うなづき」が理解をあらわしたり、同感を示したりしていることと違うということがあるのだ。

ただ単に、「うなづいて」いるだけということ。

上司が一方的にしゃべっている時の部下の「うなづき」、これには注意が必要だ。部下の「うなづき」を見て納得していると思うのは危険だ。


やはり、コミュニケーションはぶつかり合い。

チームワークと共通目標は、そのぶつけ合いのコミュニケーションから生まれる。

一方的な意見の押し付けや無理な説得などではない。


果たして、サムライ・ジャパンはどこまでぶつけ合ったのだろうか。

とことんやりあったのだろうか。

それとも、誰かの「うなづき」でわかり合った気になったのだろうか。




6月のコラム

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「プロ野球」


皆さんは、私が、プロ野球が好きで、講義の中でも良く話題に出すことはご存知のことでしょう。

なかでも、40年来の阪神タイガースファンであります。

東京生まれ、東京育ちの阪神ファンは、今でこそ珍しくなくなりましたが、チームが弱かった時(ファンは暗黒時代といっています)からのファンは、もちろん少数派です。



「ボビーのポジティブ発言」


現在(6月5日)交流戦のトップを走っているロッテ。

今年も好調のようです。

昨年と同じように、日本シリーズでわが阪神タイガーズと激突する可能性が高い(願望を含む)ようです。


2年目を迎えた今年のセパ交流戦。

見所は沢山ありますが、最初のカードに昨年の日本シリーズの再現である、阪神=ロッテ戦が組まれていました。

5月9日の初戦、7=2で阪神がまず1勝、翌日の10日は雨天中止、11日も5=3で阪神の勝利。見事に昨年の日本シリーズ4連敗のお返しをしました。

なんと、ロッテはこの日の敗戦で5連敗。

不振のどん底にありました。


次の日の朝、日課となっているスポーツメディアのネットでの記事を閲覧していると、バレンタイン監督の次の言葉が目に入ってきました。

「今日の敗戦で、今シーズンの一番長い連敗が終わった。」

このコメントを読んだ時、正直言って驚きました。

連敗の最中にこの楽天的な発言。

シーズンの序盤でのこの前向き発言。

ポジティブ人間、バレンタイン監督らしい発言ではありますが。

監督のこの発言があったあと、なんとロッテは9連勝。

その後もパリーグの首位を快調に突っ走っています。


逆境の中でのポジティブシンキング。

本当に力を与えるものなのですね。驚きました。

指導者がこのようなポジティブシンキングだと、部下も発奮しやすいのでしょうね。



「無理な笑顔の裏側には」


さて、「オプティミストは成功する」という有名な言葉があるそうです。

オプティミスト=楽観主義者。

バレンタイン監督は根っからのオプティミストなのでしょう。

でも、人の上に立つ人みんなが、根っからの楽観主義者ではありません。

ポジティブな発想が局面を打開するとわかっていても、苦しい場面では悲観的な見方が頭をよぎるのが当然です。

人間、そう簡単に明るくなれないものです。


では、どうすればよいのでしょう。

答は無理をするしかないのです。

そう、無理に明るく振舞うことしかないのです。

苦しい時こそ、もう駄目だという時にこそ、鏡の前で笑顔を無理やり作って、部下の前に立つ。これしかありません。

ただし、無理と無茶と違います。

無理やりの笑顔の背景には科学的な分析が無ければなりません。

無茶くちゃの笑顔には科学的な根拠がありません。

バレンタイン監督のブログを読むと、このことが良くわかります。あの5連覇の次の日に、ブログでは冷静に自軍の戦力の分析がなされていることがかかれています。

この科学的分析力が無理なポジティブ発言に繋がるのです。


今年もロッテの野球から目を放せません。

ぜひ、海浜幕張の駅からマリン球場に行きましょう。

この球場は一見の価値あり。

ファン(顧客)を大事にすることとはどのようなことなのか。良く判ります。