シンポジウムは、明治天皇の妃である美子(はるこ)皇后(昭憲皇太后)が着用された最も格式が高く、
明治の洋装を象徴する大礼服の研究・修復・復元に関するテーマで語られた。
国際プロジェクトが編成され、担当された著名な専門家による作業の生々しい報告に引き込まれた。
会場は明治神宮会館。秋篠宮妃殿下も来場された。
明治神宮ミュージアムでは、実物の大礼服とお召し物も展示。
(5月6日まで、その後は展示が変わる)
写真は不可のために撮影できなかったのがとっても残念。
明治神宮ミュージアムの外観
海外の3名の専門家は、
米国コロンビア大学 中世日本研究所所長 モニカ・ベーテ氏
英国ロイヤルパレス主任学芸員 ジョアナ・マーシュナー氏
LAカウンティ美術館専門学芸員 シャロン武田氏
(日本のアドバイザーは京都服飾文化研究財団 理事・名誉キュレーター 深井晃子氏)
大礼服についての主な要点。
研究、修復、復元は6年かかったという。
ドイツ、イギリス、フランスの宮廷衣裳の比較研究や
明治の文明開花期の布地や衣裳作りの技術の調査研究など多角的な視点から取り組んだ。
大礼服の特徴は、ボディスとスカート、長いトレーンで出来ている。
後ろのバッスルの角度が強い。明治20年代前半に制作されたようだ。
極細の手打ちの縫い針が使われた。現在の日本で二人しかいない貴重な技である。
布地は京都の西陣で作られた。
1902年、皇室にゆかりの深い京都の大聖寺に大礼服が下賜されて現在に至った。
明治時代の日本は世界に出るという大志があり洋装化を必要とした。
実物を目の前にして、その輝きに胸を打たれた。
明治という時代の力強さを感じ取った気がする。
感動した。
(シンポジウム会場でのメモ、明治神宮会館と明治神宮ミュージアムのHP、パンフレットより再編集しました)
次回につづく