そのアナウンスに周りの歓声が大きくなる。
男子「@@さんは誰を連れてくるのでしょうか?」
ますます大きくなる歓声に私は動けずにいた。
春樹「大丈夫?@@」
本部のテントからハル君が助けに歩いてくる。
まだちゃんと顔が見れない。
春樹「・・・一護は?」
ハル君の言葉に私は我に返って、
「そうだ!いっちゃん探さないと!」
心配そうに駆け寄ってくれたハル君を見つけると、
男子「おーっと。種村君が@@に駆け寄りました!二人でゴールか!二人三脚でも息はピッタリでしたからねー」
と余計なひと言をマイクを通していうもんだから、周りから変な歓声が上がる。
女子「えー。種村君と@@さん、付き合ってるの?」
女子「ショック・・・」
女子「でも、佐東くんのジャージ着てるよー」
周りは好き勝手に言葉を口にする。
「ちがっ・・・」
否定しようとする私の声は周りの歓声にかき消されて届かない。
違うのに。
私はいっちゃんが・・・。
見渡すが、いっちゃんの姿はない。
「いっちゃぁぁん」
探しても見つからないいっちゃん。
女子「この際、種村君とゴールしちゃえば?」
マスターを連れてったクラスの子が駆け寄って、耳打ちする。
「ダメ!」
でも、いっちゃんがいない・・・。
男子「さぁ、他の選手は続々とゴールをしています」
急かすようなアナウンスが所々で挟まれる。
どうしよう・・・・。
男子「@@さん、どうする?」
そうだ!
「ちょっとそのマイク貸して!」
男子「え・・ちょ・ちょっと」
男の子の持っているマイクを奪い取ると、すーっと息を吸い込んで、力いっぱいマイクに叫んだ。
「いっちゃーん。どこー?」
マイクがハウリングを起こし、キーンという音が響き、会場が静まり返る。
「いっちゃんじゃなきゃダメなんだから。出てきて!」
静まり返った校庭に、私の声だけが響いてる。
すっごく恥ずかしい。
でも、どうしてもいっちゃんじゃなきゃダメだと思ったの。
あんなことがあったから余計に。
一護「バーカ」
人ごみの向こうで聞きなれたいつもの声がして、私は走り出す。
「いっちゃん!」
一護「恥ずかしいだろ」
言葉は冷たいけど、顔は優しい。
一護「ほらっ。ゴールするんだろ」
コツンとぐうにした手で私の頭を小突くと、ゴールに向かって歩き出す。
「う・うん。ごめんなさい。これ、ありがとう」
マイクを返すと私はいっちゃんの後を追った。