春樹「一護、怒らなかった?」
学校で待ち合わせしていたハル君が会うなり開口一番に聞いた。
体育祭の準備で数人の生徒の姿がすでにあった。
「メールしたんだけど、返信なかったんだ。でも、きっと大丈夫だよ・・・たぶん。きっと」
自分に言い聞かせるようにハル君に向かって頷く。
便りがないのはよい証拠・・・のはず。
春樹「・・・まだメール見てないだけなような気がする・・・」
ハル君が予言のように、確信を込めてそう言った。
「・・・・」
春樹「・・・・」
あとでいっちゃんに怒られることは確実だなーと頭の片隅で思いながら、
「練習しよっか」
ハル君を促した。
6月早朝の空気は夏になる直前でまだ少し肌寒い。
半袖の体操着とハーフパンツから出ている肌がひんやりとした感覚をとらえて、一瞬鳥肌が立った。
「まだちょっとだけ寒いね」
鳥肌をさすった。
春樹「もう少し日が昇れば、すぐに暑くなるよ」
「そうだね。それに動いたらちょうどいいかもしれない」
私は腕を上げたり下げたりして準備体操を始める。
ハル君も私に合わせて軽く準備体操を始めた。
「それじゃ、始めようか」
春樹「そうだね」
ハル君は首にかけた緑のクラスハチマキを手に取ると、私の横に並ぶ。
春樹「足、縛るよ」
「・・・うん」
跪いたハル君のつむじが見えた。
「・・・ふふっ」
私より10cm近く背の高いハル君のつむじを見るのは初めてで、なんだかかわいくて、笑って
しまった。
春樹「・・・なになに?」
なんで笑われているのかわからないハル君はキョロキョロと周りを見渡す。
「つむじ。ハル君のつむじ、なんだかかわいくて」
春樹「そう?」
ハル君はちょっと顔を赤くして、二人の足を結んだ。