4回にわたり腰高のフォームについて投稿をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腰高フォームを否定している方はごく少数派だと思います。完全に否定をしているのは漫画家のみやすのんきさんぐらいではないでしょうか。それだけ常識化しているということではないかと思います。

 

 

 

※Bが速く走れるフォームです

 

この本の中で具体的な説明をされています。アフリカ系のトップランナーは腰高ではないという事実から述べられています。みやすのんきさんを揶揄する方もいますが、現実を無視した乱暴な発言です。

 

腰高のフォームがいわれ始めたのはいつごろからでしょうか?おそらく2000年以降ではないかと思います。元一流ランナーでテレビ解説をしている方の発言の影響が大きいのではないかと思っています。アフリカ人ランナーの走りを腰高といっていることすらあります。おそらく脚が長いのでそのように見えるだけで、錯覚しているに違いありません。

 

腰高のフォームについての問題点を別の視点で考えてみたいと思います。腰高ということになると自ずと重心の位置が高くなります。自身の身体をコントロールするのが難しくなることは容易に想像できます。支点である足からの距離が遠くなりますので、逆にいえば足の接地も安定しないはずです。

 

そもそもの話になりますが、ランニングで推進力を得るために必要なことは何でしょうか?単純な話ですが、地面をしっかりと押すことです。いわゆる地面反力を使うということになります。地面反力を効率よく前進する方向に伝達することが必要になります。

 

この力を得られるのは重力により地面を押すことであり、自身の骨格や筋肉から生み出すことはできません。宇宙飛行士が宇宙から戻ってきたシーンを見ればわかると思います。腰高フォームをよしとする考えは、地面とのかかわりを無視しているように思えます。

 

 

 

腰高の安定しない姿勢で地面反力を効率よく得られるとは考えにくいです。地面との距離が遠くなるので、地面と直接接地している足に体重が乗らない可能性が高くなり、地面に力を伝えることは難しくなるといえます。

 

手で壁を押すことを考えるとわかりやすいと思います。手を伸ばした状態と、曲げた状態ではどちらが強く推すことができるでしょうか。曲げたほうが力の入ることがわかると思います。

 

腰高のフォームの推進力について、ボールが弾むように落下した反動を使うという考え方をしている方がいます。ただ、忘れてはいけないのは、人間の脚はボールのように単純な構造ではなく、下半身だけでも足首、膝、股関節など複数の関節が存在するということです。

 

地面反力を伝達するのはこれらの関節を支えている骨格と筋肉になります。関節を使うということは、骨格や筋肉で屈曲および伸展をさせることです。関節を屈曲伸展しなければ力を発揮することはできないということを忘れてはいけません。

 

腰高では各関節の角度は浅くなり、十分な屈曲伸展はできません。地面反力を得ることは難しくなるといえます。このハンディを補うためには、地面を蹴るしかないと思います。自然な動きではなく力技といえますが、筋力を余分に使うことになり効率の良い走りとはいえないでしょう。

 

私自身は腰が落ちることではなく、腰が後ろに残ることが問題だと考えていますが、双方が混同されていると感じています。重要なのは腰の高さではなく、地面反力を推進力につなげることができるかということだと思います。

 

腰高神話は簡単に崩れることはないと思いますが、今後も定期的に問題提起をしていきたいと思っています。