写真は私が最近マイブームのお米です。1.50€くらいでタイ米的なあっさりした優しいご飯。


違う環境に自分を慣れさせる事から身につく「本当の慣れ」とは私の中では最強の感覚で、日本の米に全く近くないお米に惹かれる感覚が自分の中に生まれています。


さて表題のツアーガイドのパート(副業)をするスペイン人バイラオーラ」に関してですが

フラメンコ業界は非常に小さくて情報が皆に伝わりやすいので実名は避けます。

仮に「M(エム)さん」としましょう。

彼女に出会ったのは、ちょうどスペインロックダウンのピークが過ぎて政府から外出許可がおりた2020年の夏でした。

私のスペイン🇪🇸生活は、バイラオーラのLa Lupi (ラ・ルピ)さんに勧められた事から、アンヘル・アティエンサ校にて始まりました。

日本🇯🇵でフラメンコを約4年ほど、半分趣味で週数時間だけの勉強量(経験量)の私。

そんなんでマジでスペイン来たな?(笑)と1人ウケてしまいます。

肩書は「OL なんちゃってバイラオーラ」が正確だと認識しています。それ以下でも、以上でもない。

「つまり、日本のフラメンコ業界の人ともほとんど面識がありません。スペイン人のアーティストさんの有名な方の名前もそんなに知らないフラメンコ学生でした。


そんな中、アンヘル・アティエンサ校では有名な特別講師が短期間だけ教える機会がロックダウン後にありました。

そこで習ったのは、

アルベルト・セイエス氏ブレリア

スサナ・カサスさんのタンゴ

そのスサナ・カサスさんのクラスで出会ったのが表題のバイラオーラさんです。

察しが良く、頭が非常に良い彼女は私に自ら簡単な表現で、当たり障りな事を話しかけてくれていました。

さてその出会いから今まで、個人的にお茶をしたのは一度だけ。

毎日連絡を取るわけではありませんが、お互いを思いやる繋がりは変わりませんでした。

以前のパートナーとの関係でずっとマドリードにて生活していた彼女。

色々あり、今はまた1人身に戻りセビージャにて新たな生活を始めています。

彼女は言います。

M:
「スペイン語が本当に上達したのね」

私: 
「そうかな?www」

M :
「私はあなたとスサンナのクラスで出会ったころからの違いをちゃんと知っているからね。」 

私:
「そっか よかったよ。」
「彼がスペイン語しか話さないので」
「私が確り話さなければ意思疎通ができません。」

「もし日本語か英語がわかる人なら、私が間違って話しても理解できる事が多かったはず。」

M:
(笑)

:
「四六時中頭が回転しっぱなしで、私は寝付きが非常に悪いし www 朝はめっちゃ不機嫌な顔(笑)彼が不機嫌な猫のTシャツをプレゼントでくれました。www でもこの環境だから嫌でも頑張るし、成長できているかもしれません。」

「タブラオで随分活躍されてますね。すごく忙しそうです。」 

M:
「そうね。でも安定はしないわよ」
「私は午前中はツアーガイドの会社で4時間だけ働いているの。夜はアカデミアで初心者のブレリアのクラスを教えているわ。」

「でも皆が楽しみで来てるクラスだから、厳しい事を言えないのが残念ね。きつくするとクラスに来なくなるし」

私:
「色々仕事を同時にしているんですね。」

M:
「そうね。同じことだけしていたら飽きるし」

私:
「タブラオの仕事って一般的にどのくらい貰えるものですか?もし聞いてもよいなら。毎回同じアーティストの人達が複数のタブラオで働いているような印象だけど」

M:
「場所にもよるけど、各部1回50€くらいが相場ね」 

「最近できたばかりの、ラス・セタスは70€くらいと聞いたわ。結構払いが良いみたい。」

「タブラオだけで生活したいなら、週に4回の公演をこなさないとね。でもタブラオ事に急に電話がくるから不安定。

私:
「非常に競争率が高く複雑な業界だと思っています。」

「私は頻繁に競い合う事をしない環境を選びました。」

M:
「英語はできる?」

私:
「はい。ある程度は.....苦笑」

M:
「セビージャは英語とフランス語を使う仕事が増えているよ。まだまだ色々チャンスがあるかも」

「私はタブラオの仕事は好きだけど、長くしていると似たような踊りをリピートしている自分に飽きるわ。」

「今までアバニコをあまり使わない踊りだから、新しい踊りを制作している最中よ」


私:
「それは素晴らしいですね。」
「きっと新鮮な感覚によりさらに楽しく感じるんだと思います。」

M:
「日本食レストランも増えているけど、恋しい食べ物はないの?」

私: 
「基本的に何でもその国にある物を食べるので(笑)」  

「慣れすぎてしまって、"恋しい"と言う感覚がありません(笑)」


このグアダルキビル川の強い太陽を拝める生活も5年目を迎えました。

「フラメンコ関係なくスペイン🇪🇸で生活してみたいな〜」と感じてから15年以上経ち、今この環境で現地人と生活している人生にビックリです。(笑)

神様が思いつきの私の心を聞いているような人生です。

それにしても、フラメンコ業界で生き抜いていく以上に「外国人として普通に生活する基礎づくり」はそう簡単にできないと身に沁みて感じます。

現地でコンセルバトリオ(芸術学校)とジャーナリズムを大学で勉強して卒業した優秀なバイラオーラの友人でも、副業をしながら複数の仕事をこなしている現状。

彼女の場合はフラメンコ業界の仕事も残す為にパートの仕事をしていますが、「現地人でも簡単に仕事にありつける環境では全くありません」


皆が生活のための働きがけをしながら、この美しい環境で生きている。

先日あるクラスで出会ったアメリカ人のバイラオーラさんは、アメリカのスペインバルにて活躍するレギュラーダンサーのようでした。

しかしながら、彼女は頻繁にスペインに来る事はできないので1ヶ月ほどリモートワークに切り替えて深夜まで仕事をしながらフラメンコの勉強をしています。

非常にフレンドリーで優しい彼女ですが、

「クラスでのスペイン語が理解できない自分」 
「想像していたより、レベルが高い環境」

に圧倒されたようで、途中からクラスに来なくなりました。

まだ踊りのクラスで振り付けを取るだけの環境だと大丈夫ですが、先生の指示や哲学、大事な教えなどはある程度のレベルまでスペイン語力を上げないと分かりません。

そうは言っても、自国のアメリカではプロダンサーとして活躍していてスペイン語がない環境では問題なく対応できるため、「モヤモヤする」場面が増えるんだと個人的に感じていました。

言語は「知能の問題」ではなくやした時間とリピートした実践練習量の話ではあるものの、

現地人達は小さな子に話かけるような簡単な表現で話しませんので、さらに難しいはずです。

頭は大人だけど、その言語を経験した時間は現地の中高生よりも遥かに少ないのが外国人の現状。

私は敢えて、「ゆっくり話してください」とあまりにも早い人達には伝えています。

しかしながら、フラメンコ業界の大御所の先生達は海外出張を多数経験しているので

「ゆっくり明確に伝える」習慣が自然に身についているようです。

だから、フラメンコの学校🏫で外国人が多い場所で「100%ちんぷんかんぷん」な状態は少ないでしょう。

問題は、フラメンコの(外国人がいない)世界や普通のスペイン人社会に適応したい時。

社会はそんなに甘くないし、優しくありません。

だから、自分が考え方を変わるしかないんですね。