さて約4年前の2020年10月に正式に対面クラスの閉鎖を決意した、Ángel Atienza (アンヘル・アティエンサ)先生。

正確な生年月日は不明だが、50代半ばの年齢なのは確かだ。

私がセビージャに到着したのが2020年の2月末だが、残念な事に到着後2週間後にスペイン政府はロックダウン生活を決意した。

私はバイラオーラのLa lupui(ルピ)さんに勧められて、Ángel Atienza の学校をまずは訪れました。しかしながら、実際に勉強できたのは2週間だけ。

よって3月中旬から夏(6月)までの約4ヶ月間は外出時間(門限)がスペイン政府により決められた状態で軟禁生活(スーパーと家の往復)を送る。

ようやく7~9月(8月はスペインは夏休暇でクラスなし)の約2ヶ月間はマスク着用でクラス再開。(マスクをしないと警察の見回りで罰金が生じる)

14年以上続いたビジネスだったが、普段はクラスに15名以上いる環境が3~4人に減少してしまった。

だから、2020年10月以降、対面授業は全く行っていない。


色々な事情があるが、「ビジネス(仕事)にならないと意味がないので」アンヘル先生は対面授業を辞める決意をした。

14年間、人と触れ合う教授法が最も性に合っていた人間に取っては非常に辛い話だ。

ロックダウン中、(スペイン到着後)私自身は貯金で生活ができていたので何とかアーティストさん達をスペイン国外にプロモーションできないかとマーケティング活動を(ボランティアで)試みたが、一般人の収入も減る世の中で、フラメンコにお金をかけれる人達も減少していた。


ここ数年間、オンライン授業により何とか繋いできたアカデミアもトリアナの新しい場所に新校舎をオープンしていた。

本日は、昔の生徒さん達を招待してスタジオのハウス・ワーミング・パーティーだった。


SNS で新校舎の建設をしているのは聞いていたが、住所までは知らなかった。

このオープニングパーティーの数ヶ月前に偶々近所で買い物を済まし歩いていると、見覚えある顔の先生のポスターが貼ってあるスタジオを発見した。

電気もついていて、中に人が数人いた。皆さんお馴染みのアンヘル先生、マルタ先生(日本に最近招聘され教えていた)そしてブルーナ(先生) (彼女は秘書だが、ヨガの先生でもある)

どうやら、この3人は親友らしい。アンヘル先生とマルタ先生は同じ種類のワンちゃんを飼っている。

ブルーナさんは、ブラジル人だがマルタ先生と同様に元々アンヘル先生の生徒であり、数ヶ月スペインにいる予定が住みついてしまった外国人の1人だ。

ブルーナさんは、英語も流暢に話しスペイン語が分からない外国人生徒の対応もお手の物だ。

色々なアクセント(訛)のスペイン語と英語に慣れているせいか、どんな人の話も完璧に理解する彼女。このアカデミアでは必要不可欠な存在だろう。


全て真っ白のペンキで塗り作らせた新しい校舎。

今は日本は円安で苦しんでいる時代だが、スペイン生活での物価も上がり続けている。

スペインは観光業で成り立つ産業(ホテル、レストラン、フラメンコを含むショービジネス)であり、外国人のお客さんは非常に大切だ。

だから、地元の人達のお給料水準も無視して外国人に高い値段で物件を売ったり、貸したりするビジネスが増え続ける。

「つまり、地元の人達が家やマンションを買うには非常に悪い時代だ。」

アンヘル先生はたぶん、前の校舎を売り今の新校舎に投資しているはずだ。

しかしながら、「物価が上がりつづける現代、非常に大変な事をしている。」

皆が何かしら生きるために働いている。それはどんな仕事でも変わらない。

しかしながら、時代は変わり生き残る為に更に苦しい時期を数多くの人達が経験しているはずだ。

政府の年金だけでは生活できない社会になっているから、今後どの様に生きていくかを確り現状把握する必要があるのと同時に、

「現状を思いきり楽しむ決断をする必要がある」

もちろん、家族の金銭的援助やサポート、会社の株含めて既に担保がある人達も世界にはいる。

しかしながら、社会は常に変化しているから未来に期待せずに、「現実と夢」を50/50の感覚で、バランスよく考える事は、今は皆が必要な事かもしれない。

本日のパーティーでブルーナさんとアンヘル先生は常にニコニコしていて、温かい雰囲気でした。

「私は彼らの素敵な笑顔ができるまで、本当に苦労しているんだと感じています。人に本当に伝わる笑顔とはそう簡単にはできないのだと個人的に思います。」