その言葉、鵜呑みにしていません? 「考えておきます」のホンネを読み解く力(高城幸司)
11月25日(日) 10:00 提供:J-CAST会社ウォッチ
仕事で関西出張したときのこと。商談の場面で結論を迫ると、「考えておきます」と回答されました。
この回答に対して、「結論はいつごろになりますでしょうか?」と、質問してはいけません。そんな質問したら「わかってないな......」と思われてしまいます。「考えておく」は「お断りします」と同義なのです(例外もありますが)。
でも、関東で「考えておく」と言われれば、お断りとは限りません。その後に様子を伺うのがマナーのようなものかもしれません。ところが、違う場合があるのです。つまり、いただいた言葉を鵜呑みにしてはいけない。……
このようにビジネスで婉曲な表現が用いられる状況がよくあるので、言葉の裏側にある本音を「読み解く」必要性を押さえておく必要があります。
そんな読み解きについて、苦手な人が増えている気がします。職場で管理職をしている知人から、読み解けない部下に関する嘆きを聞く機会が多いからです。
たとえば、マーケティング会社の部長を務めるDさんの嘆き。部下の営業に同行したときに、読み解きの勘違いに遭遇したとのこと。部下は取引先にプレゼンを行ったのですが、終了後には「やり切った」と思ったのか、大いなる達成感をみせるくらいでした。
するとお客様から、「力作のご提案をありがとうございます。一たん、社内で検討させてください。何か動きが出ましたら、こちらから連絡します」との回答。……
相手はアナタを受け入れていますか?
Dさんは同行して、お客様が部下のプレゼンを受けている様子を観察していました。すると、ドンドンとページをめくり、見積もりの書かれたページを注目。明らかに関心が低く、興味が薄い提案内容であったのは明らかでした。
ところが、その状況に気づかない部下は時間をかけて丁寧に提案書をなぞるように説明を続けます。……
それでもプレゼンが終了すると、お互いが顔を合わせて会話する状態になりましたが、お客様は柔和な姿勢で前述のように回答したのです。……
でも、プレゼン全体でお客様の様子を見ていれば結果は明らか。こちらから連絡するとの回答は「お断り」を意味していました。
さて、Dさんは結果を踏まえて、部下にどのような指導をしたのか――。決まらなかったことを責めるのではなく、プレゼン中に相手の表情、しぐさ、言動に注目して相手の受け入れ状態を確認しなさい...... と指導しました。……
本音を読み解く。
これは、とても大切ですよね。
「考えておきます」という温和な発言の場合、殆どが実質NOでだと思います。
私の経験では、高飛車な物言いのお断りの方が、何かのきっかけでコロっと変わります。
生保の法人営業時代、私の初めてのお客様は、初訪の時の第一声が「保険なんか入らないよ」だった、感じ悪い社長さん。
通信販売のテレフォンオペレーター時代、話の途中でガチャ切りされたお客様にすぐさままた電話して、「福島さんには負けた」とご契約を頂いたことがあります。
基本的には、私は見込みがないと思うと、さっさと次に行く粘らないタイプですが、押せばいける、と感じた人については果敢にアプローチ。
論理派には論理でおとしますが、エモーショナル(感情的)営業の方が多かったですね。(笑)
お客様の様子を観察し、受け入れ状態を確認することの必要性は、プレゼンに限りません。
私も改善していきたいと思うところです。
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