<提供:リクナビNEXTジャーナル>
コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第26回目は「コミュニケーションにおける『後出し』とは?」についてです。
ジャンケンで必ず勝つ方法をご存じでしょうか? ……
もっとも確実に勝つ方法は、後出しです。……
でも、「後出し」はやってはいけませんよね。「普通のジャンケン」に限っていえば。
ところが、交渉事や周りの人との会話では、「後出し」は多数のメリットをもたらします。
先に出して負ける人たち
私はこの会話方法を、「後出しジャンケン方式コミュニケーション」と命名して、セミナーや書籍などで7年にも渡ってお伝えしてきました。……
一言でいえば、とにかく徹底的に「会話」は後出しをすればいいのです。
コミュニケーションが苦手だという方は、次のように「先出し」をして失敗しています。……
「いらっしゃいませ。パソコンをお探しですね。こちらの商品がオススメです。ハードディスク容量が小さいのでコストパフォーマンスがとてもいいんです。他にも最新の機能もついていまして、とても便利です」
「いや、高くてもいいから、ハードディスク容量が大きいのが欲しいし、最新の機能はいらないよ」……
成功しない人は、相手の話をろくにきかず、自分の思い込みで話を進める人がとても多いのです。
相手の伝えたいことや、気持ちを理解しようとせず、すぐに思い込んで、先回りする人に対して、好感を持つ人はいません。
それなのに多くの人は、「自分からしゃべらなければいけない」「沈黙があると相手に失礼だ」と勘違いして、相手の興味のない話をしてしまい、玉砕しているのです。……
後出しジャンケンの基本とは?
自分からベラベラと話すのではなく、相手の話した内容に寄り添っていけば、間違いなく相手の気持ちをつかむことができます。……
「いらっしゃいませ。パソコンをお探しですね。どんなものをお探しですか?普段はどのような使い方が多いですか?」
「そうだなあ、画像や動画の編集が多いんだよ」
「なるほど、それでしたら、これが一番のオススメの機種です」
このように、徹底的に後出しにこだわっていくと、相手とのコミュニケーションがとてもスムーズになります。……
売れない営業マンほど、先出しします。……
相手にしゃべらせることなく最後まで自分がしゃべります。最後になって、相手の感想を聞くと、「今は必要じゃない」とか、「高すぎる」と言われて、玉砕してしまうのです。
……相手が何を欲しているのかを充分に聞き出してから、自分の話をする。……
常に、相手が先で自分が後。
この方式を忘れなければ、交渉事でも友人との人間関係でも、きっとうまくいくでしょう。
その昔の営業時代、最初は沈黙が怖くて……。
気まずい雰囲気を打ち破るべく、自ら口を開いていました。
でも、ある時、学習したのです。
沈黙は武器になると。
お客様が契約しようかどうかを真剣に考えていらっしゃる時に限りますが、お客様の思考を邪魔することなく、何も言わずにじっと待っていた方が成約率がアップ。
お客様からすると、押し付けられたのではなく、自分自身が考えて選んだ、という形になるところがミソですね。
怖かった沈黙も、営業戦略として慣れてしまえば、どうということはありませんよ。
「沈黙は金」お試しあれ。
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