…… 「市民の司法アクセスを容易に」を旗印に進められてきた司法制度改革だが、その結果として弁護士の報酬は厳しいものとなっている。
では、この状況をベテラン弁護士はどう見ているのだろうか。……
基本的な研鑽を積めていない弁護士が粗製濫造されそうだと小川弁護士は指摘する。
「…… 弁護士は、弁護士になってから仕事のなかで職人の技を磨いていくものです。どこかの法律事務所に勤めればいいのですが、就職先がないと未熟なまま独立せざるをえないのでしょう」
弁護士の増加に伴い、一人前の弁護士に育つために必要なプロセスに乗れない者が、多々現れてしまったというわけなのだ。
「私が若手の頃は、勤務弁護士の待遇や拘束時間はブラックが当たり前でした。経験を積んで人脈を広げる修業をさせてもらっているのですから、給料をもらえるだけでも幸せですよ。……」
かつてはそんな知力と野心に溢れた者がのし上がっていった弁護士業界は、今や金持ちの子女しか生き残れない世界になりつつある。
「合格率が低い旧司法試験制度の下では弁護士は簡単に世襲できるものではなかったのですが、今は法科大学院に通えば2割弱は合格します。その学費と司法修習の経済的負担に耐えられる人たちに有利な環境になってしまったのです」
3年前に弁護士登録した○○さん(32歳男性)は、取材の最後に深い嘆息とともにこう漏らした。
「自分がこんなに弁護士に向いていないなんて思わなかった。一般企業に勤めるのが怖くて弁護士を目指した人間が弁護士になっても仕事にならない。……」
給料をもらいながらキャリアを積むイソ弁の需要と供給のアンバランスが悲劇を生み出していて、シビアですね。
私の場合、開業前に社労士事務所のスタッフとして、受験知識と実務の現場との差異も経験できてラッキーだったと、改めて思います。
それから、一般企業に務めたとしてもうまくやっていける人の方が、成功率が高い。
弁護士も社労士もそうではないでしょうか。
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