「叱れない上司」なぜ生まれた ゆとりに帰せられないその理由
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…… 指導できない、指示できない
……「一部にいる、感情的に部下を怒鳴りつける管理者も困ったものなのですが、それ以上に厄介なのが、大半の管理者が一切叱れないという事実なのです。端的に言うと、指導できない、指示できない。ひどいケースになると、管理者が仕事を担当者に振れず、自分の仕事ばかり増やして首が回らなくなってしまっているのです」
……「叱れない上司」が必ずしもゆとり教育のせいばかりではないという教育学の大学教授の話も、少し前に読んだことがありました。なぜ叱れないのか。その内容をかいつまんで言うとこんな話でした。
手本とすべき上司の存在
昭和の高度成長期は、組織という考え方が中小企業にはほとんどなく、「社長と職人の集まり」という会社構成が当たり前の世界だった。もちろん、部長、課長という役職はあったけれども、実際には仕事ができる社員にほかの社員よりも給与を多く払うための便法にすぎず、そこに管理という業務は存在しなかった。……
一方、大企業で役職に就く社員は、できあがった組織管理の仕組みの中で、担当者時代に散々上司に仕え、自身が役職者にたどり着く頃までに多くの手本や悪い見本を目にし、体感することで、知らず知らずに「管理者のかくあるべし」を学んでいるのだ......と。
すなわち、ベンチャー企業の役職者には手本とすべき上司の存在がなく、指導や指示の仕方、仕事の振り方を学ぶ機会がなかったことが「叱れない上司」の生まれる主な原因であると、その大学教授は結論づけていました。同時に「叱りすぎる上司」もまた同じ理由で生まれるのだとも。……
「正しく叱る技術」を
……「部下は上司の背を見て育つ」とは、今も昔も変わらぬ真理です。中小・ベンチャーでは社長いえども社員にとって上司。私がこれまで見てきた多くのベンチャー企業で、「管理者が育たない」という社長のお悩みの根本原因が当の社長自身の言動にあったということも多く、大学教授の見方は至極まっとうだと思われます。
半面、組織のトップとして自信とプライドに満ちた社長の言動を変えさせるのは至難の業でもあります。大学教授は机上の分析でいとも簡単に対策を処方してくれますが、現実はそう甘くはありません。……
なるほど、叱れない上司も叱りすぎる上司も、手本とすべき上司の不在が原因、という同じ理由によるものだったのですね。
皆さんも思い当たる節がありませんか?
「正しく叱る技術」が必要なわけですね。
言うに易く、行うに難し、ですが。
叱れない人の再生産を食い止めなければ、会社の未来が危い、という危機意識が重要でしょうか。
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