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「国民的美少女コンテスト」グランプリ受賞者はなぜ大成しないのか――人材選抜の謎に迫る」一部抜粋
…… 組織論の専門家である太田肇さんは、新著
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の中で、芸能界の例を紹介しながら、「厳選された人材は伸びない」と意表を突く指摘をしています。「厳選された人材は伸びる」のではなくて、「伸びない」とは? ……
■美少女コンテストを調査してみた
…… オスカープロモーションが女性タレント発掘のために1987年から開催している「全日本国民的美少女コンテスト」……
第1回から第13回までの受賞者を一覧表にしたうえで、大学生に教室でタレント名を1人ずつ読み上げながら、彼らがそのタレントを知っている(名前を聞いて顔が思い浮かぶ)か否かを聞いてみた。……
○がついているのはほぼ全員が「知っている」、△はほぼ半数が「知っている」、無印はほとんどの学生が「知らない」と答えたタレントである。
グランプリ
第 1回 藤谷美紀
第 2回 細川直美
第 3回 小原光代
第 4回 小田茜
第 5回 今村雅美
第 6回 佐藤藍子 ○米倉涼子(審査員特別賞)
第 7回 須藤温子 ○上戸彩(審査員特別賞)
第 8回 渋谷飛鳥、阪田瑞穂
第 9回 河北麻友子
第10回 山内久留実 ○福田沙紀(演技部門賞)
第11回 林丹丹 △忽那汐里(審査員特別賞)
○武井咲(モデル部門賞・マルチメディア賞)
第12回 工藤綾乃
第13回 小澤奈々花、吉本実憂
…… 念のためグーグルで1人ずつ名前を検索して、どれだけの件数がヒットするかを試してみた。
その結果、学生の回答と同じような結果が出た。知名度でみるかぎり、グランプリ受賞者の完敗である。
ちなみに、おそらくたいていの人が知っていると思われる剛力彩芽も第8回で予選落ちしている。
なぜこのようなことが起きるのか。「選んでもハズれる」どころか「選んだらハズれる」とも言えるべき現象について、太田さんは、いくつかの可能性を述べている。
(1)多くの人の目で、あらゆる角度から選ぶので、角がとれた人が選ばれがち
(2)選者が無意識に過去の経験に照らして選ぶので、新奇性、意外性を捨ててしまう
こうした分析を踏まえたうえで、太田さんは、企業が人を選ぶ際にも同じ轍を踏む危険性があることを指摘している。つまり、従来型の選考方法では「化ける」人材を取りこぼしてしまうかもしれない、というのだ。……
今現在大いに活躍しているのは、グランプリ受賞者でははく、グランプリを逃した米倉涼子や上戸彩など。
この事実は、興味深いですね。
そして、これが企業の採用にも同様のリスクがありそうだという指摘には、なるほどと思いました。
「化ける」人材をどこでどうやって見つけるのか。
難しい課題ですが、採用方法や人を見る視点を考え直したいものです。
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