…… 北九州市で3ヵ所のガソリンスタンドを経営する「野口石油」、そこに吹く春風である。
長くスタンドにつとめてきた野口義弘(72)は20年ほど前に独立してから、元非行少年少女を雇い続けている。
その数、のべ約130人。
親の虐待を受けた子、両親が心中して残された子。……
愛された経験が乏しい子たちに、野口は「がんばってるな」と声をかけ、しょっちゅう握手し、ときにハグする。
頼ってくる子は後をたたない。
でも野口の会社は30人あまりを抱えるのが精いっぱい。
なので、18歳になったら自動車の運転免許などの資格をとらせ、志を同じくする中小企業に巣立たせている。
熊本の極貧の家で、野口は育った。
中卒で大手バス会社が採用してくれた。
転職した北九州市のガソリンスタンド会社でも実力が認められた。
人に認めてもらえるうれしさを体いっぱいに感じた。
40代半ばのころ、スタンドの幹部だった野口は、保護司をしている妻から「雇ってあげて」と頼まれた。
髪を染め、けばけばの化粧をした16歳の少女だった。……
身なりを整えた彼女は、目を見張る働きぶりだった。
見てくれで判断する自分を恥じた野口。
50歳をすぎて独立すると、火がついた。
たとえば、野口のスタンドから売上金を盗んだ少年を自首させ、更生後に雇った。
子どもたちに何度裏切られても、繰り返す。
「心配せんでよか、また雇うけん」
なぜそこまでするのだろう。
「貧しかった子どものころ、地域の人に助けてもらった。
学歴がない私をまわりが認めてくれた。
その恩返しです。
この子たちには、自分を認めてもらう経験、チャンスがなかっただけです」
野口の会社は、成果主義ではない。
ひどい失敗をしても減給や解雇はしない。
……まわりのスタンドよりガソリンの値段が高い。
それでも、廃業がつづく業界で、堂々と生き残る。
理由は三つ。
全国から見学者が来るほど、従業員が洗車の技術を磨いている。
つぎに、独自に開発した車体のコーディング剤が、全国のおよそ300のスタンドで使われている。
そして、地域の理解と応援だ。
「少々高くてもガソリン入れるけん」とお客が言ってくれるのだ。
人間の思いが春風をおこし、冷たい生産性至上主義に勝ることがある、のである。……
※野口義弘さんの役員報酬は年240万円。
「ぜいたくしなければ十分」
※事務所の壁には、こんな標語が掲げられている。
「他人と過去は変えられないが、
自分と未来は変えられる」
心洗われる話ですね。
恩返しといっても、なかなかできることではありません。
野口さんが認められたのは、本人の努力あってこそでしょう。
ただ、非行少年少女たちは、不幸にして努力する術も知らないまま、育ったのかもしれません。
だから、認められる機会がなかったのも、至極当然。
でも、愛を注がれ、チャンスを与えられたら、人は生まれ変わることができる!
単なる価格で判断しないお客様は、野口さんの人柄と志にひかれ、また、一生懸命に頑張る子どもたちの姿に感銘を受けているのだと思います。
納得する付加価値があれば、お客様はついてきてくださるのですね。
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