
10/23 日経新聞夕刊
「うつ病増加 2つの理由 産業医科大学教授 中村純氏(1)」より
…… 厚生労働省の調査では、2011年にうつ病と診断された人は70万人。10年間で3倍に増えた。
仕事の負荷と精神疾患の発症に関連性が高い場合は労災として認定されるようになり、企業の安全配慮義務の観点からもメンタルヘルス対策は重要になっている。……
専門医からみて、うつ病と診断される人が増えているのは大きく2つの理由があると考えている。
1つは医師の診断基準が変わったことだ。
これまでは患者の訴える症状に加え、性格や発病前の状況、環境を考慮して診断していた。
しかし米国精神医学会の診断基準が日本でも取り入れられ、患者の訴える症状と、症状が続く期間で診断するようになった。
従来よりもうつ病と診断される症状の幅が広がっている。
もう1つは就労環境の変化だ。
コスト削減や効率化で1人あたりの業務量が増加し、プレッシャーは高まっている。
「仕事量に賃金が見合っていない」と不満がたまると、ストレスの原因にもなる。……
ストレスがかかると脳内のセロトニンやドパミンなどの物質が少なくなり、神経間の情報伝達がうまくいかなくなる。
新たな神経細胞を作る活動が低下し、脳の一部が萎縮してうつ病を発症する。
うつ病から回復すれば脳も正常に戻ることも分かっている。……
ある企業で産業医と面談した40代の男性社員が、睡眠障害や疲労感を訴えた。
新事業と顧客とのトラブルが重なり、残業時間が長くなっていた。
医師と上司が話し合い、顧客対応は同僚に任せるなど仕事を見直したところ、薬を使わずに睡眠障害が改善した。
うつ病は治る病気であり、ほかの病気と同様に早期に発見して対策を講じることが重要だ。
中村先生がおっしゃるうつ病増増加の理由に、私はもう一つ付け加えさせていただきたいです。
「うつは心の風邪」とも言われるように、誰でもかかり得るという認識が広がり、精神科を受診するハードルが下がったこと。
ここには、抗うつ剤を売りたい製薬業界の思惑と、心療内科やメンタルクリニックの増加が絡んでいると思いますが。
とりもなおさず、ストレス過多の昨今、うつ病になりやすい時代です。
治る病気ですが、病気にならないのが一番。
予防が大事ですね。
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