
6/3 日経新聞
「『稲盛イズム』日航に浸透」より
2010年1月、約2兆3000億円の負債を抱えて倒産した日本航空(JAL)。
倒産前5万1000人いた従業員は3万2000人に減り「明日はどうなるのか」という不安が職場を覆った。
しかし京セラ創業者の稲盛和夫を会長に迎えた同社の業績は鮮やかにV字回復し、12年9月には再上場。
現在も高い利益水準を維持している。……
稲盛が持ち込んだ「フィロソフィ」と、部門別採算制の「アメーバ経営」が浸透するにつれ、整備の現場はみるみる変わっていった。
一番の変化は元JAL、元JAS、元整備子会社という出身母体の垣根が消えたことだ。
ベテランと若手がチームを組み、JASのベテランがJALの若手を育てることもある。……
整備には運航中の飛行機を飛び立つ前に直す整備と、1年かけてオーバーホールする重整備がある。
破綻前は日常の整備のために数百億円の部品在庫を持っていた。……
例えば機内販売。
サービスの一環として破綻前もまじめにやっているつもりだったが、中には使ったことがない商品もあった。
そこで空港のオペレーションセンターの一角に機内販売商品を集めたコーナーを作った。今日売る化粧品の香り、スカーフの手触りを確認してから乗務する。
自信を持って乗客に勧められるから売り上げが伸びる。
部門別採算制でその成果がすぐ分かる。
「こんなに売れたんだ」。
数値化された成果を見るともっと頑張ろうという元気が出る。……
……部門別採算制の導入で「意識ががらりと変わった」。
「以前は他社との対抗で値下げしても注文を取れば勝ち、と思っていた。今は利益が出ない受注はしない」……。
着陸の時、エンジンの逆噴射を使わずブレーキで止まれば1回で10万円の燃料節約になる。
アメーバの導入により、こうした施策で毎月1億4000万円の燃料費が節約できることが分かった。
「一人ひとりが経営者」という稲盛哲学の浸透でパイロットのコスト意識も格段に高まった。一方で神谷(機長)は「コスト削減一辺倒にならないよう、ブレーキをかけるのも運航乗務員の役目」という。
コストと安全がバーターになることがあってはならないからだ。
そんな神谷も判断に迷った時は「JALフィロソフィ」に立ち返る。
「人として何が正しいか、と考えれば答えは見えてくる」からだ。
稲盛イズムの要は、フィロソフィ(人生哲学)とアメーバ経営(小集団に分けた組織を独立採算で運営する経営システム)。
一人ひとりが、それぞれの職場で創意工夫をこらし、効率のいい仕事をする。
現場の労働者が経営者の視点を持つことによって、見えてくるものがあり、改善を図る。
そんなさまざまな努力の積み重ねが、14年3月期決算1576億円という経常利益につながっている。
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