「職場のいじめ・嫌がらせ問題」 徳島労働基準監督署次長岡田英樹 より抜粋
いじめ・嫌がらせが増えた原因
①労働組合の崩壊
②長期雇用の崩壊
③長時間労働の蔓延
④成果主義賃金制度の導入により職場環境に余裕がなくなっている
⑤管理職のマネージメント能力の不足
⑥企業経営者のモラルハザート
など職場環境の変化があると推測される、と考えた。
最近では、これらに加え、
「昔は『職場のいじめ』に対する問題意識がなかったが、『パワーハラスメント』という言葉が社会に広がり始め、労働者が就業環境に関する権利意識に目覚めたことで相談件数の増加につながっているのではないか」……
何が原因かと確信的なことはいえないが、いじめ・嫌がらせの相談が増えた原因は、以下の3点が原因ではないと考えている。
第一に、現在の時代背景を含めた職場環境に問題があると考える。
全ての企業がそうだとはいえないが、日本企業の職場自体が、いじめを引き起こしやすい環境になっているのではないだろうか。
そのように考える時代背景を列挙する。
・新規採用が抑制され、採用数が減少
・新入社員の学歴、人物が上司より優れている、上司が優れているのは経験のみ
・多数の新入社員が競争した今の上司世代とは異なってきた
・上司は叩いて折れたとしても構わないという気持ちで教育する
・経験の少ない人材は,失敗が少なく、一度叩かれると立ち直れない
・上司への教育、研修がなされてない、研修費用の削減
第二に、社会の閉塞感からいじめに意識が傾くと考えられる。
会社内での成功例が少ないこと、会社だけではなく日本全体がそのように感じる。
「これは成功した、やってよかった」という体験は一体感を生み出すが、成功体験が少ない社会になっている、活力の感じられない社会に感じる。
第三に、意思疎通能力の発達不足により、意思がうまく伝えられずにした行為を「いじめ」だと決めつけているのではないだろうか。
あるいはそのような人が増えているためにいじめに関する相談が増えているのではないだろうか。
意思疎通がうまくいかないのは、世代が違うという理由だけではない。
昔は共同作業をしなければ生活自体成り立たなかった。
現代では機械、道具が便利、快適に使える状況にあり、共同作業しなくても一人でできることが多くなった。
その結果、他者との関わり、思いやり、気配りをする能力がなくても生活が十分にできる人が増えているからではないだろうか。
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これをお読みになって、そうそう、と頷かれる方は、多いのではないでしょうか。
社会的な事柄については、すぐにどうこうすることのできる問題ではありません。
ただ、指摘されている意思疎通能力については、改善することができる問題だと思います。
私が子どもの頃は、お肉屋さん、八百屋さんなどで、お店のおじちゃん、おばちゃんと会話をしながら、買物をしていました。
今や、スーパーのレジでピッピッと買物をすますことができ、言葉要らずの時代です。
他者との関わりが少なくなり、気配りができなくなっている世代に、いろいろと「教えてあげる」必要があるのではないでしょうか。
それで、いじめ・嫌がらせがなくなるわけではありませんが、本人にとっても、会社にとっても、プラス要素があると思います。
るんるん♪語録/10月1日
相手がきちんと受け止めてこそ、コミュニケーション
自分がボールを投げただけでは、片手落ち
相手が受け取りやすいように配慮し、受け止めたかどうかを確認
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