6月21日付『週刊文春』
~権威が警告 「新型うつはうつじゃない!」
ジャーナリスト森健~より
会社では憂うつな気分で働けないが、病気休暇をとると趣味に精を出し、海外旅行や合コンにも参加する。
その多くは大卒や中途入社など勤務して三年ほどの二十代後半から三十代。……
加藤氏(精神科医、理化学研究所脳科学総合研究センター加藤忠史氏)は過日、NHKスペシャルで新型うつの特集が放映された後に、ツイッターでこう言及した。
〈 “新型うつ” 青年期特有の未熟な自我、経験の乏しさ等に起因する職場不適応事例が、精神科を受診した結果、「抑うつ状態との診断書を発行され、一定期間の休養指示及び薬物療法等、うつ病としての対応が取られることにより、周囲が困惑するという社会現象のこと。(私製精神医学辞典より)〉
加藤氏は新型うつが増えた理由として、次の三点をあげている。
職場における若者の未熟さ
精神科医による曖昧な診断書
その安易な治療である。
加藤氏は若者の未熟さについては「新人の頃、落ち込んで、うつっぽくなる子は昔からいくらでもいるとした上で、曖昧な診断書、安易な治療の二点を懸念しているという。……
問題はその診断書の記載内容だと加藤氏は言う。
「通常、我々が診断書を書く場合、「病名 うつ病により、一カ月の休養が必要」など病名と所見を書くだけのことが多い。長くても5.6行で病状を簡略に説明するだけ。
病状の詳しい説明はもちろん、発症の誘因などにも触れない。
結果的に一枚の紙だけで社員を一人休ませることになる。
会社で一人が長期に休めば、それだけ周囲は大変な負担がかかる。
本当にそれでよかったのだろうかと思うのです。」
そもそも、うつなどの精神疾患は、軽症であればあるほど診断が難しく、治療法も明確でない。……
都内のある精神科医もこれは難しい問題としたうえで、こう打ち明ける。
「結局、医師は目の前の患者が申告する内容を否定することはできないんです。
その人が朝起きられない、憂うつで仕方がない、食欲もない、と言えば、それを言葉どおりに受け入れるほかない。
一方で、かりに医師がまだ投薬や休養には時期尚早ではないかと考えたとしでも、目の前の患者が症状を訴え続けるかぎり、「問題なし」と診断するには医師としてのリスクが大きい。……
新型うつの発症の原因は、残業や激務といった業務内容よりも、その上司に会いたくない、その部所にいるだけで過度の緊張や発汗があったり、夜眠れなくなったりするなど、社内の人間関係によって引き落とされているケースがほとんどなのだ。
週刊文春 2012年6月21日号/文藝春秋
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「新型うつはうつじゃない!」というのは、故意にセンセーショナルなタイトルにしていると思います。
うつ病を逆手に取って、休業補償をゲットし、働かずしてしめしめ、とほくそ笑んでいる悪賢い若者もいるかもしれません。
でも、従来のうつ病とは症状が異なるものの、新型うつ病本人は苦しんでいて、しかも周囲の理解がないため、二重の苦しみに苛まされている人もいるでしょう。
新型うつ病といえども、さまざまなケースがあるはずです。
企業側にすると、経済的体力、人的資源によほどの余裕がない限り、社員に穴をあけられるのは、大きな痛手です。
社員が仕事をしなくても、雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料の半額負担は変わりませんし。
医者にしてみれば、万一自傷行為でもされたら責任問題なので、それなりの診断書に仕上げてしまうこともありそうだから、厄介です。
一筋縄ではいかない難しさがあるからこそ、社員、会社、医者、社労士などの連携が大事だと思います。
特に、新型うつ病発症の原因の多くは、人間関係とのこと。
人事や社員教育も要になるでしょう。
休業や復職に絡み、就業規則がどのようになっているかもポイントです。
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るんるん♪語録/6月17日
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信頼して任せた上で、いざという時の責任をとる覚悟があること。
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