③火曜日
よく晴れた朝に感謝しながら、男は自分の細胞のひとつひとつが生きていることを意識した。
あと5日間で自分は死ぬ・・・つもりで生きている。自分の意識に正直に、且つへんな照れが枷になってできないようなことも余裕できる。なんだか自分が開けている感覚だ。
しかし実際に死ぬことはない。だから悲観的になることはない。
生きていくうえで一番いい意識の仕方だな、と満足している。
今日は一度行ってみたかった富士山に行くことにした。
何かあるわけではないが、近くで日本一の山を見てみたいと思っていたのだ。
新幹線の中では好きな音楽を聴きながら窓の外ばかり観ていた。
一昨日メールを送った人たちからの返信も、だいぶあった。
窓の外には想像以上に巨大な山が見えはじめていた。
思い入れはないのだか、なんだか帰ってきたような気持ちにまでなっていた。
旅館に泊まり、夜を過ごしていると、だんだんと世界が内側に向かって膨張していく。なんだかたまらなくなっていたが、ふと次の仕事のことを考えてしまった。
貯金も多いわけでもなく、やりたいことがあるわけでもなく。
前の会社は給料は悪くなかったな、と思うと我慢して働いていれば良かったような気になった。
死ぬつもりで生きるはずが、こうなったらもう止まらない。
企画に支障が出ないうちに寝るのが一番だ。
珍しく1人でビールを沢山飲んでしまった。
あと5日間で自分は死ぬ・・・つもりで生きている。自分の意識に正直に、且つへんな照れが枷になってできないようなことも余裕できる。なんだか自分が開けている感覚だ。
しかし実際に死ぬことはない。だから悲観的になることはない。
生きていくうえで一番いい意識の仕方だな、と満足している。
今日は一度行ってみたかった富士山に行くことにした。
何かあるわけではないが、近くで日本一の山を見てみたいと思っていたのだ。
新幹線の中では好きな音楽を聴きながら窓の外ばかり観ていた。
一昨日メールを送った人たちからの返信も、だいぶあった。
窓の外には想像以上に巨大な山が見えはじめていた。
思い入れはないのだか、なんだか帰ってきたような気持ちにまでなっていた。
旅館に泊まり、夜を過ごしていると、だんだんと世界が内側に向かって膨張していく。なんだかたまらなくなっていたが、ふと次の仕事のことを考えてしまった。
貯金も多いわけでもなく、やりたいことがあるわけでもなく。
前の会社は給料は悪くなかったな、と思うと我慢して働いていれば良かったような気になった。
死ぬつもりで生きるはずが、こうなったらもう止まらない。
企画に支障が出ないうちに寝るのが一番だ。
珍しく1人でビールを沢山飲んでしまった。
①日曜日
その男は、単調な毎日に少しだけ焦りを感じていた。
テレビで病気を克服した人のドキュメンタリーを観ていたときに、これだと思いたった。
いつ何で自分も死ぬかわからない。自分の寿命があと1週間と仮定して、精一杯に生きてみようと決めた。
どうせ機会をみて辞めようと思っていた今の仕事も、思い切って辞めることにした。
自分はあと1週間しかないのだ。そう考えるとまず今の仕事程無駄な時間の使い方はない。
冷蔵庫の中を入念にチェックし、簡単な食事を作った。
携帯電話をいじりながら、音信の途切れた昔の友人などに思いを馳せた。
自分と関わってきてくれた人こそ財産。そんな気持ちになり、アドレスが入っている人間全員に2時間以上かけてメールを打った。
実家の両親や兄弟には、明日帰るからと告げた。
沢山の友人との沢山の思い出にひたって眠る一日目であった。
テレビで病気を克服した人のドキュメンタリーを観ていたときに、これだと思いたった。
いつ何で自分も死ぬかわからない。自分の寿命があと1週間と仮定して、精一杯に生きてみようと決めた。
どうせ機会をみて辞めようと思っていた今の仕事も、思い切って辞めることにした。
自分はあと1週間しかないのだ。そう考えるとまず今の仕事程無駄な時間の使い方はない。
冷蔵庫の中を入念にチェックし、簡単な食事を作った。
携帯電話をいじりながら、音信の途切れた昔の友人などに思いを馳せた。
自分と関わってきてくれた人こそ財産。そんな気持ちになり、アドレスが入っている人間全員に2時間以上かけてメールを打った。
実家の両親や兄弟には、明日帰るからと告げた。
沢山の友人との沢山の思い出にひたって眠る一日目であった。

