革命的改憲阻止を!あらゆる改憲勢力と決別しよう。 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 10日の参議院選挙の投開票が近づく中、「改憲4党 2/3に迫る」という見出し(朝日7/7)。「情勢調査」の「問い」の建て方、そもそも答える側に与えられている「情報」などにより、この「情勢調査」の結果は大きく変わるものと思われますが、この見出しは、一つの「危機感の表明」と受け取ることは出来ます。

 自民党が選挙の争点化を避けようと、その狙いは焦点は憲法9条の改憲です。
 私も、現憲法がまったく誤謬のない不磨の大典のようには思っていません。天皇制を中途半端で残していること等々、完璧な憲法ではありません。

 しかしながら、今、政府・与党が行おうとしている9条改憲、さらに緊急事態条項新設には、絶対的に反対です。
 なぜなら、世界情勢が資本主義の破綻的な状況に進んでおり、日本を含む各国の資本・政府は再び経済ブロックの再編による帝国主義的な戦争も辞さない=軍事増強に入ろうとしています。そのための9条改憲であり、そのような権力側の望みを叩き潰すことこそが、私たちの未来を開くことだと思うからです。
 「日本」は一つなんてナショナリズム的幻想にすぎません。権力の思想です。戦争で利を得たい資本側と戦場に送こまれ、意味なく「殺し、殺される関係」に立たされる側は、日本の中で1vs99で対立しています。自分がどちら側に立っているのかの認識が改めて必要だと思います。

 ちなみに、いわゆる「野党」の中にも、現与党の改憲には反対だけど、やっぱ9条は変えないとね、という勢力は民進党、無所属を含めて居ます。いわば「野党的改憲勢力」です。したがって、私たちは目を凝らして9条改憲に「この今の時点で」「絶対反対」を表明しているか否か、を見定めることは今回の投票における重要なメルクマールだと思います。

 AKBの選挙みたいに「人気投票」みたいなつもりの人もいるかもしれませんが(選挙なんてそんなもんなのかもしれないけど)、ムードや雰囲気やビジュアルや、ナショナリズムを煽る勢い、なんてもので判断すると、まさに民主的にナチスが第1党に選ばれ、その後、ヒトラーが首相になった「国民決起の日」(!)を迎えた時代のように、とんでもない選択をすることになるかもしれない、ということを私は、この時点で言っておきたいと思います。

 そして、さらに言えば、選挙の結果(いわゆる改憲2/3勢力が選ばれようとも、そうでなかろうと)、どちらに転ぼうとも、議会制民主主義内での民主的結果を踏まえ、改憲阻止=戦争阻止の闘いは続行でしょう。

「政府がなんらかの形の人民投票によって権力につき、−その投票が欺瞞的なものであろうとなかろうと−少なくとも表面上は、合憲性を保持している場合には、ゲリラ活動を開始することはできない。なぜなら平和的闘争の可能性がまだ完全にはなくなっていないからである。」(チェ・ゲバラ『ゲリラ戦争』)と20世紀の革命家は言っていますが、次がゲリラ戦かはともかく、2016年7月の時点で「欺瞞的であろうとなかろうと」選挙がなされている以上、そして、それが全てではないにせよ、そこでの民主的意思の表明は重要だとは思います。

 ともかく「改革」のムードというか、現状打破!の気持ちを「改憲」に持って行かれないようにしましょう。私たち弁護士は、15年前に「司法改革」という新自由主義の「改革」に弁護士会として賛同し、その結果、今の惨状を自ら招いたという大失敗の過去があります。

 候補者が何を言っているのか、表面的にではなく、しっかり把握した上で投票を決めましょう。私たちの将来を決める、ことが問われていると思います。