一般参賀・・・ゆきゆきて神軍、SD訴訟等々・・・ | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 一般参賀・・・から連想するのは、ドキュメンタリー映画『ゆきゆきて神軍』(原一男監督)の奥崎謙三氏が、「山崎、天皇を撃て!」と声あげながら、パチンコ玉で昭和天皇を打った事件(1969年)という人も多いかと思います。奥崎氏は自らを戦争に送り込んだ責任の源流を徹底的に追及した人だと思います(「天皇陛下万歳」の裏返しとして)。

 さて、私が司法試験に受かったのは1988年ですが、年が開けて、昭和天皇が没して元号の昭和から平成になる1989年から1991年頃、バブルの最盛期でしたが、街は奇妙な空気に包まれました。いわゆる自粛ムード。そして、1990年1月から1年かけての儀式・・・。

 なんじゃこりゃ?俺たちいつの時代に生きているの?そんな違和感につつまれました。井上陽水の「お元気ですかあ?」というCMが自粛するという自粛ムード。その中から生まれた社会派コント集団「ザ・ニュースペーパー」の皆さんや、右翼や警察にボコボコにされながらも明治神宮の前、原宿の街頭で天皇の戦争責任を追及するパーフォーマンスを連打していた「秋の嵐」のみんなとは、後日、知り合いました。

 弁護士は黙っていたのか?
 そんなことはなく、91年に弁護士になった1年目の弁護士と一つ上の2年目の弁護士を中心として、SD訴訟弁護団を結成しました。SDとは? それは即位の礼大嘗祭の頭文字。即位の礼大嘗祭違憲訴訟弁護団のことです。植竹和弘 大谷直、尾林芳匡、椛嶋裕之、城臺哲、徳岡宏一郎、中西一裕、南典男、宮原哲朗、武藤元、そして私あたりが実働でした。

 訴訟の内容は、
・ 都知事が即位の礼及び大嘗祭関連諸儀式に参列するための庁有自動車の運行に係る費用を都の公金から支出したことが,違憲,違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,元知事個人に対してされた損害賠償請求
・ ・都が行った天皇の即位記念式典等の祝賀事業に係る費用を都の公金から支出したことが,違憲,違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,元知事ら個人に対してされた損害賠償請求
というものです。この形態が一番、争いやすいだろうということでした。 

 訴訟の結果は厳しいもの(まあ、最高裁長官まで参加していたんでねえ・・・。)でしたが、途中途中、弁護団が中心となって、皇太子の結婚の前日には「結婚を祝わない会」とか、即位10周年にも、アンチの集会を開いたり、それなりに、民主主義に原則的な活動をしていました。若さって原則的だなあ。
 天皇制と民主主義は、相容れないですもんね?

 というわけで、21世紀の今、未だ一般参賀に行って、日の丸振る気持ちとかはよくわからないです。天皇が個人としてはいい人かどうかは関心ありません。総理大臣が個人としてどんな人でも関係ないように。

 いいお父さんのスナイパーや、家では優しい特高刑事もいたかもしれません。でも、関係ないんじゃないかな? SO WHAT? 不敬ですかねえ?