夕刊に「関東大震災時の朝鮮人虐殺」の記事が載っていました(朝日8/29)。右下には、加藤直樹くんの本『9月、東京の路上で』(ころから)も取り上げています。
一昨年、韓国のシンポジウムで同行させて頂いた姜徳相先生(83 滋賀県立大名誉教授)のコメントが掲載されています。
「・・・今も差別意識は、おりのように国民感情にたまっています。70年以上、都内の自宅で暮らしていて周囲には私より古い人はもういないくらいですが、それでも近所の商店で、『黙れ、朝鮮人』と言われたことがあります。
朝鮮を下に見て愛国心を喚起するのは、明治以来の手法です。しかし他民族を殺す民族には、自民族の自由もありません。1945年までの日本の侵略と植民地支配を直視せず、加害の意識もないのなら、同じことをまたやってしまうのではありませんか。」
また、作家の保坂正康さんは
「相手を憎むことが前提で成り立つ戦友愛のようなものは、間違ったヒューマニズムだ。中国を仮想敵とあおる今の政権も危うい。」
とコメントしています。
関東大震災時の朝鮮人虐殺は、当時の政府が関与しています。姜先生は「虐殺は、日本が植民地支配で行ってきた弾圧に対する報復を恐れた治安当局による先制攻撃」と指摘していますが、私は、さらに、当時の日本にいた朝鮮人労働者と日本の労働者が結びついて労働運動を前進させることをロシア革命から数年しか経っていない状況上、政府は恐れたのだと思っています。
それにしても、このような排外主義的ナショナリズム=差別意識は、今もあるのでしょうか?そんな中国や韓国などのアジア蔑視観はとっくに克服されているか?
加藤直樹くんと、国会前12万人の群衆の中でばったり会いました(「秋の嵐」の頃から路上でよく会っていたものです。)。素晴らしい大衆的エネルギーの中、「次はナショナリズムが問題だね」と話しました。
「反戦とは、国際連帯」。このシンプルなことを忘れさせるナショナリズムを克服して、1923年の歴史を乗り越えて、私たち99%の民衆は、日本と韓国、それぞれの国で、それぞれ自国の政府を打倒して戦争反対を実現しましょう、今度こそは。