日本では「法治国家」、中国では「依法治国」というスローガンのようですが、要するに、建前としては、万人は法の下に護られて、権力の濫用は許されない、ということになっています。今の、安倍政権のやりたい放題を見てれば、ちゃんちゃらおかしい、と誰もが思うでしょうけど、あくまで建前は「法治国家」。
中国には、現在、既に弁護士は約27万人居て、世界共通の弁護士の役割として、きちんと権力と立ち向かい、人々のために闘う弁護士が増えているようです。
その分、日本と同じく、裁判官から法廷でから追い出されたり、拘束されたり、さらには、何者かに襲われる、そして、弁護士資格を停止されたりするとのこと。
裁判所が、法廷や裁判所がから退廷命令を下し、暴力で排除すること(私もやられたことはありますが)や、監置処分といって拘束をすることは日本でももちろんありますが、弁護士の資格に手を出すことは、現在の日本では出来ません。
日本では、弁護士として資格の得喪等は弁護士の自治、弁護士会で行うことになっているからです。以前にも書いたとおり、戦後、獲得した民衆側の弁護士としての武器、それが弁護士自治です。
中国では、弁護士自治が確立しておらず、というか、確立させるつもりは政府にはないようで、弁護士の資格の得喪についても司法当局の判断で可能なようです。
その結果、官僚に批判的だったり、活動家の弁護をしたりする弁護士が、昨年1年で14名も資格停止や拘束されたりしているとのことです(朝日5/5)。
これが、弁護士自治のない世界、ということですが、「司法改革」の弁護士激増政策により、日本でも、会費負担などのコストへの不満から、若手弁護士からは、自治不要論も出てきています、政府の「司法改革」の狙い通りに。
そうなると戦前に逆戻り、ですが、実際、世の中、全般に「戦前化」しつつあり、空恐ろしい時代ではあります。
しかし、厳しい状況の中で、中国の弁護士も頑張っているようです。
「こんな状況では、弁護士も尻込みするのでは?」という質問に対し、
「確かに弁護士が支払う代償は大きい。体を壊す人もいる。それでも人権派弁護士は増えている。社会の不公平や当局の腐敗にこれ以上、我慢できないからだ。・・・市民が事実を語れなければ、どうやって社会は進歩できるのか。」
同じような状況に、日本の弁護士も置かれています。ただ、日本では、まだ、弁護士会が自治権を握っている。今の執行部は「法曹有資格者」などという事実上、弁護士自治を脅かす存在の活動領域を拡大することに協力するなど、すっかり親権力的ですが、弁護士が弁護士であるため、つまり、99%側で闘うためには、弁護士自治は重要です。日本でも、中国でも、どこでも。