歴史とは、少し前の「事実」 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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あまり、高校生のとき歴史に興味がありませんでした。当時は「もう昔のことじゃん」と思っていたのです。しかし、今は歴史の重要性がわかってきました。歴史は事実だからです。あったこと、だから、これからあることの参考になります。人の歴史は基本、人の意思により創られてきており、そこから学ぶ意味は多いと思います。とりあえず、おさらいのため『もういちど読む 山川 世界現代史』というのを読み始めましたが、なかなか面白いことが書いてあります。

「この時代、いままで無産者として差別され、軽視されてきた労働者がみずから組織し、政治的にも自己主張しはじめたことは、有産階級に衝撃を与えた。特に政治家や支配層は警察から軍隊まで動員してストライキや社会主義運動を弾圧する一方、司法の力を借りて・・・労働運動をむりやり抑え込もうとした。p56」

「列強の指導者が多かれ少なかれ国内外に山積する困難や危機を乗り切るため、いずれ戦争という手段に訴えざるをえないことを覚悟して、その準備に狂奔していたことを物語っていた。それとともにきたるべき戦争の性格も、政治の延長、あるいは政治の一手段としての限定された戦争から、それ自身が目的化し、政治ばかりか全社会を逆に規定する総力戦へと変わりつつあったのである。p72」

「第一次世界大戦勃発にあたり、各国政府はそれぞれ相手の非を鳴らし、自国の立場を正当防衛と主張した。そのうえ、『軍国主義の打倒』『野蛮に対する文明の闘い』あるいはと『金権支配への挑戦』といったそれぞれ手前勝手な戦争目的を掲げて、国民の戦意高揚をはかった。しかし戦争の原因と同じく、そのめざしたものもじつは各国の帝国主義的膨張、世界の再分割にほかならなかった。p78」

「社会民主党は・・革命勃発以来とった態度は、いくえにも屈折していた。すでに戦前から『改良』の名のもと、ブルジョワ社会との和解に努めてきた彼らは、党首エーベルトが『私は革命を罪のように憎む』と語ったように革命を望ます、さらに帝政の廃止さえはじめは考えなかった。それゆえ彼らが革命に参加したのはその急進化を防ぐため・・p92』

などなど、かなり直截に書かれています。そして、怖いのは、これが前世紀の過去というよりも、今とあまり変わらない、という点です。20世紀の歴史は、まさに戦争と革命の歴史、そして核戦争に至った総力戦の危機の歴史だったと思いますが、今、再びその淵に立っている思いです。

こんな時代、皆、忙しい・・・それは、私とて同じですが、それでは、20世紀の歴史が繰り返されるどころか、もっとパワーアップした壊滅戦が展開される可能性もあります。

勇気を出して、言い訳せずに、今、オトナの私たちは自分や家族や仕事などの私事に埋没せず、やるべきことをやっていきましょう。そのためには「歴史」はやはり役に立ちそうです。だから、権力の教育政策は現代史を教えたくないのでしょうね。