国家権力の構造的無責任は変わらない | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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治安維持法違反で逮捕され、特高警察から拷問を受け、虚偽の自白をさせられ、それを証拠に有罪判決を受け、すぐに判決等訴訟記録を焼却され、再審の道も長きに渡り閉ざされた「横浜事件」の木村亨さん。
ようやく21世紀に入り開始された再審公判でも「無罪」ではなく「免訴」判決。納得出来ない遺族の木村まきさんは2012年に国家賠償訴訟を提訴しました。

戦中の特高警察による「拷問」や「国家権力の終戦間際の責任逃れのための公文書焼却」は、いわば「公知の事実」ですが、現在の法廷でも被告である国の公的な答えは、「知らない」です。

国=自分のことなのに「知らない」・・・こんなことを答えることが許されるのか?

しかし、これから今の国家が行おうとしていることも、きっと同じなのです。つまり、反対の声を潰し、戦争を始め「敵」と「味方」に動員された多くの人々に犠牲を出し、あげくには責任を逃れ、何も知らない、を決め込む。これは、結局は誰も責任をとらない構造。昔も今も変わりません。

今の段階では、私たちにも責任があります。まだ、言いたいこと言える(はず)だからです。戦争を具体的に行う(協力する)のは私たちだからです。今なら止められる、軍事国家へ突き進む安倍政権の暴走を止められます。

国家権力が私たちの誰も望まない戦争を排外主義で煽り、やるだけやっておいて責任はとらないことは横浜事件の歴史が証明しています。
まきさんは「同じ事件が起きぬよう、今の問題として伝え続けます」と言っています。「今の問題」と考えることが大事だと思います。