新自由主義下の「尊敬する人」 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 先日、女子高生に新自由主義について話をする機会がありました。私は、まず、「あなたが尊敬する人は誰ですか?」という問いを投げかけました。
 「う~ん」と考えていまいしたが、要は、最近の「尊敬する人」リストは「成功している人」が上位を占めているのです。ジョブスとかイチローとか。まあ、分野は異なれど、功績を上げた上「成功している人」です。逆に言えば、イマドキ、ちゃんと評価されている人は(経済的に)成功していないわけがない、という価値観があると思います。

 私が言いたかったのは、新自由主義、つまり市場経済至上主義、もっと言えば、「儲けがすべて」ALL NEED IS WEALTH、っていう価値観はデヴィッド・ハーヴェイ(『新自由主義』)も指摘している通り私たちの内面の隅々まで浸透しつつある、ということです。

 昔は、長屋に住んでる土木作業員の息子星飛雄馬の方が、金持ちのボンボンの花形満よりカッコいいっていう価値観だったんですけどね。

 村上ファンドの村上世彰代表が「お金儲けは、悪いことですか」という「名言」を吐きましたが、これは時代の声、だったと思います。この資本主義・新自由主義体制下でお金を無視して生きることの出来る人は、まず、いないですからね。

 ということで、「お金」「成功」。さらに「安定」
 「今を」生きている人々の中で、その誘惑に抗える人は,既にそれらを手に入れている人、手に入れていると思っている人でしょう。

 ・・・けどね、なんか気に食わないよね。やっかみかもしれないけどね。なんか「お金」や「成功」ではない、違うところに「軸」を立てたいな、と思うのです。

 たとえば、音楽が好きなので、メジャーで成功している人のメジャーな音楽より、いい演奏をする、いい歌を歌うミュージシャンが街には沢山いることを知っています。尊敬します。RESPECT! かっちょいい♪
 なんか、お金もってなくても、CMとタイアップしてなくても、「みんなの為になることをした人、喜ぶようなことをした人」が純粋に尊敬されるような世の中にしないと、子ども達に恥ずかしいなあ、と思うのです。

 新自由主義的な価値観から脱却して、善きこと、楽しいこと、価値あることを分かち合う世の中にしたいですよねえ。