現実のリアリズム | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 現実なんだからリアリティがあって当然じゃないの? むしろ、トートロジーでしょ、と思うかもしれませんが、必ずしも、そういうこともないのでは、と思うのです。
 
 現実、とりわけツラい現実は、自分の中でリアルに受け止めることが困難なことは、むしろ経験上、多々あるのではないでしょうか。

 身近な人の死、辛い別れ、事故、失敗、自分に起こった事でも、何か受け止められない感覚。頭ではわかっているけど、うまく自分の感覚の中に収められない感じ・・・。
 それは、リミッターのような防衛本能みたいなことなのかもしれません。
 
 3.11の翌週、すごくそれを感じました。頭では、そこに放射能の危険があるとわかっているけど、拡がる青空からは何も変わっていないんだ、平穏なんだと受け止めたい自分がいる・・・という感覚でした。
 
 個人レベルでもマスレベルでも、同じかもしれません。日中間の緊張、そして軍事体制化(集団的自衛権行使容認)へ「現実」に踏み切ろうとしていることをリアルに受け止めることができないのは同じなのかもしれない、そうすると、本当に、現実に戦争が始まっても案外リアルに受け止められないのかもしれない、と思ったりします。

 逆に考えれば、「リアルに受け止められないからと言って現実ではないわけではない」ということになるかもしれません。

 何かしら私たちにリアルな感覚を生じさせないようなメディアやネットの電脳空間が拡がっています。
 その中から、「現実」を見つけ出すのは、なかなか簡単ではないのかもしれません。感覚を研ぎすませましょう。