東京とは今年度から、都内の全ての公立小学校約1300校の通学路に、防犯カメラを設置する、とのこと。5年で24億7000万円の総予算だそうです。
最近、怖い事件が多いからねえ、仕方ないですねえ。・・・みたいな会話で納得する人も多そうですが、そうでしょうか?
マスコミの報道による「体感治安」と現実の「治安」の差は、しっかり認識しましょう。ムードだけで決めると、ただ、ただ監視されるだけになってしまいます。
いわゆる凶悪犯罪(殺人、強姦、強盗、暴行)は人口10万人あたりで5.9件、刑法犯総数は同じく約1250件(2010年警察庁調べ)。一方、アメリカは凶悪犯罪が403件、総数が3466件(FBI)ということで、日本はアメリカに比較すると凶悪犯罪に関しては約70分の1、窃盗などを含む犯罪総数では約3分の1ということになります。
別にアメリカは別だよ、ということかもしれませんが、日本に限っても、いわゆる凶悪犯罪は1940年代~50年代から、ずっと減少傾向にあることは警視庁の統計上明らかです。
だから、「近頃、凶悪犯罪が増えてるから」というのは明らかに事実と違いますし根拠はない、ということになるでしょう。
そもそも、「防犯カメラ」という発想は、監視されていれば犯罪はおかさないだろう、ということなのだと思いますが、その発想を正しく押し進めるならば、防犯カメラの映像管理の可視化こそ重要だと思います。いざという時に、私たち側からアクセスすることが対等に認められていないと、「監視社会」が完成するだけでしょう。
まあ、そもそも・・・取調べに対しては、録音等をすることを激しく拒否するのが警察だし検察です。その上、「全面可視化」なんて絶対にしないくせに、「防犯カメラ」っていうのはねえ。
「監視カメラ」を向ける方向が違うんはないの?と心底思います。
