ウクライナ情勢と伊坂幸太郎 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 伊坂幸太郎さんも好きな作家ですが、新作の中でウクライナの諺として「軍旗がひるがえると、理性がラッパを吹き鳴らす」というのがあると引用しています(私はそのような諺を知りませんが)。「熱狂こそが、攻撃性を生み出す。熱狂を生み出すために簡単なのは敵を作ること」という指摘とともに。

 実際、ある種の民衆蜂起=革命的様相で始まったウクライナのヤヌコビッチ政権の崩壊、そして暫定政権の登場は、そのようなラッパ=熱狂で起こったようで、結局は、ロシアの軍事介入からEU+米国との権力闘争の様相を呈しています。

 クリミア半島という黒海に面した歴史的要衝の実効支配を巡る帝国主義的な覇権争いに発展しそうな緊迫した情勢に入っています。すぐ近くのソチではパラリンピックが行われているというのに・・・。

 NATOはロシアとの軍事協力の縮小及びウクライナとの共同訓練の拡大を決め、アメリカもバルト諸国の空域への戦闘機を増派するとコメントしています。本当に、本当に大きな戦争が始まりそうな緊迫が高まっています。

 しかし、ロシアでも人々は自国政府の軍事介入に反対のデモを弾圧に抗して行われました。どこの国にも、戦争に反対する仲間がいるということです。

 中国や韓国、そして、ロシア、アメリカ、ウクライナ、そして、日本、どこにも戦争に反対し声をあげている仲間がいます。

 私たちには直接関係ない遠い国での出来事、かもしれません。しかし、東アジアを巡る緊迫もすぐに同様のリアリズムを持ち得るのではないかと思います。  
 確かにクリミア半島は遠いのです。しかし、この世界に迫る戦争前夜のリアリズム、その場所で暮らしている人々に思いを馳せることは、結局は、私たちの「近未来」を引き寄せ、リアルに未来を選択することに繋がるような気がするのです。

 政府やマスコミのひるがえす「軍旗」、そして、「ラッパ」に逆らう「理性」と「実践」で繋がっていきましょう。


  *サンクトペテルブルクでデモに参加し、連行される女性(ビッグローブニュースより)